日本文学 古典
竹取物語
私が幼い頃、祖母は枕元でよく昔話をしてくれたものでした。
残念ながらどんな話をしてくれたのかはほとんど記憶にありません。
なぜなら私は最後まで起きていられず、途中で寝てしまうためです。
しかし、昔話を聞かされる前の奇妙な緊張感だけは克明に覚えています。
竹取物語といえば、誰もが知るかぐや姫の話です。
日本の古典のなかでも有名な話の1つに挙げられるでしょう。
お爺さんが光る竹を見つけると、そこに小さな女の子がいました。
お爺さんは女の子を引き取りますが、それから家は大変裕福になっていきます。
女の子はすくすくと成長し、やがて美しい女性になります。
そこへ5人の貴族が求婚へやってきます。
かぐや姫は、それぞれ5人に宝物を取ってくれば会いましょうと約束しますが、
5人とも失敗。
次は、帝から求婚されたかぐや姫。
しかし、かぐや姫は月へ還らねばならない。
そしてクライマックス。かぐや姫を月へ還すまいと帝の家来とお爺さんが
阻止に乗り出しますが、そのかいはなく、かぐや姫は月へ還って行くのでした。
「御迎へに来む人をば、長き爪して、眼をつかみ潰さん・・・」
迎えに来た人を、長い爪をもってして、その目をつぶしてやる、といった意。
身の毛もよだつ言葉ですが、これはお爺さんがかぐや姫を迎えにきた
使者に対してどう対応するかを語った一言です。
原本では温和なお爺さん、ではなかったようですね。
将来、私に孫が出来て昔話をするとしたら、さすがにこの部分は話をできませんね。