またまた今年も、ユネスコ世界遺産委員会で、日本から世界遺産が登録(文化遺産)になりました。昨年の「富士山−信仰の対象と芸術の源泉」に連続した快挙です。これで
日本にある世界遺産は18か所になりました。
2014年に登録になった世界遺産は「富岡製糸場と絹産業遺産群」で、構成資産は、富岡製糸場(とみおかせいしじょう)「木骨レンガ造の繭倉庫や繰糸場など」、荒船風穴(あらふねふうけつ)「蚕種の貯蔵施設」、高山社跡(たかやましゃ)「清温育の主屋兼蚕室」、田島弥平旧宅(たじまやへい)「清涼育の主屋兼蚕室」4か所です。
明治5年に政府が設立した製糸場で、養蚕・製糸業を世界一の水準に牽引し、田島家、荒船風穴、高山社と連携して優良品種の開発と普及を主導してきました。和洋技術を混交した工場建築で、長さ100mを超える木骨レンガ造の繭倉庫や繰糸場など、主要な施設は創業当時のまま、ほぼ完全に残されています。
明治時代シルクと言えば高級で庶民には手が届かなかったものを、官と民が連携した開発と普及により、今では誰でも手にすることができるようになりました。靴下、ハンカチ、シャツ、パジャマ、伝統的な日本の着物、軽くて通気性がよく高級感のある光沢、一つは持っているのではないでしょうか。そして、その施設は140年経った今でも、大切に管理されしっかりと稼働している。
タリバンによって破壊されたバーミヤンの大仏、大勢の観光客が訪れることでパルテノン神殿は年々擦り減っているなど、登録することで将来に向けて引き継いでいくための施設が、人の手によって壊されていく事実があるようです。
膨大な労力と時間をかけて築き上げてきた施設とそれを守り続けてきた人々の精神は、現代においては再現不可能だろう。
われわれには、先人たちが残してくれた貴重な文化遺産、日本だけでなく世界(人類)にとって大切な資産と技術を受け継ぎ、守り、後世に引き継いでいく義務があるのではないか。
平成26年08月29日