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2007年
12月号 
 
 
 11月号
 
 10月号

   名を呼ぶ
          小林まもる
名もないような
草花があるだろうか
知らないだけなのに

心にとどまるなら名づけ
名を呼ばねばならない
気にとまる草花の名を
知らなければ
それだけ貧しいことと
その草花が教えている

名ひとつ知らない
名づけることもなかった
眩暈のような悔悟
忙しかった日々

覚えねばならない
手懐けねばならない
名もないような
庭さきの
不変の草花から
うつくしい今朝がた
忘れてきた置き土産が
どっさり届いた
 9月号
 

8月号

 
2007年
7月号 

 
6月号 
 

5月号 

    片付け
          小林まもる
身軽になって風のように
旅に出たいと時がきたら
片付けはやめることだ

ほとんどのものはいらない
ものばっかりだったと
見限ればいい

自分をそれだけ見限れれば
それはひとつの悟りだ
あとは誰が片付けようと
よろしくな 俺の知ったことかと
押っ取り刀で出て行くことだ

ふるさとこいしや
はないちもんめ
卑怯ではなかったという
一枚の証明書を持って

4月号

 

3月号 

 
 2月号

 
 2007年
1月号

  プレゼント
          伊藤賢治
敬老の日
 じーじ ばーば
 あしたはなにか
 あげるね

その日は
子ごも館へ行った
入場料も乗り物代も
人形 お弁当代も
いつもの通り
財布は細るばかり

夜 思い出して孫は言う
 なにもあげるもの
 なかったのー

そんなことないさ
ほらこんなに
両手一杯のおひさま
 
 
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