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2010/ 12/18 |
![]() 1 「あの頃、あの詩を」 鹿島 茂 文春新書 2 「栗山の昔話」 柏村祐司 随想舎 3 「近藤博人詩集」 近藤博人 1958/12/10発行 (市立図書館より借出し) 4 「逸見猶吉詩集」 逸見猶吉 1966年思潮社「定本逸見猶吉詩集」より、インターネットにて 5 「羽音」 六角文夫句集 市立図書館より 昭和63年7月10日発行 6 「旅びと」 布川武男句集 市立図書館より 平成5年3月発行 7 「青山」 加藤洋句集 市立図書館より 平成10年5月発行 8 「くじけないで」 柴田トヨ 飛鳥新社 白寿の処女詩集 驚異のベストセラー、70万部 9 継続 「写真俳句のすすめ」 森村誠一 朝日文庫 |
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2010/ 11/24 |
![]() 1 「伏流日本美」 宗左近 スカイドア 2 「写真俳句のすすめ」 森村誠一 朝日文庫 3 「古代幻想と自然」 高内壮介 工作舎 縄文から湯川秀樹まで *日本人の自然観には縄文の「禁忌としての自然」、 弥生・古墳時代の「祟りとしての自然」という他者としての自然観があった。 *人麿の自然観は古代以来の不気味な他者感を蔵しながら、 その後は文学という歴史の表層の現れることなく歴史の深層に忘れられた修験者の道や、 能の道を通じて歴史の地下水となって流れていった。 だから人麿と赤人には他者感と一体感の三叉路がある、 赤人の一体感は新古今の象徴的自然主義からやがて芭蕉にまで心境錬磨の道を深めていくことになる、それは、人麿的隠りくの自然から、赤人的美しい自然への変換を意味していた。 ・・・この一体感はいご1千年を通じて、日本的感性の類型を形作ることになる。 NOTE 2010/11/7 記 *この書の中で、第3章「人麿と赤人」 ・・・自然の他者感と一体感の岐路・・・は日本文化論として高く評価されるべきものと思う。 特に「人麿伝承と下野の国」は本県の民俗文化史において画期的な労作であると思う。 すごい詩人・思想家・民俗研究者を鹿沼は輩出していたのだ。 4 「民主党政権への伏流」 前田和男 ポット出版 民主党政権はどこへ行くのか!? 5 継続 「鹿沼市の文化財」 6 継続 「かぬまの歴史」 鹿沼市史普及版 鹿沼市史編纂委員会 7 継続 「鹿沼今昔物語」 白石くにお 2010.8.24 鹿沼商工会議所 8 継続 「栃木県近代文学全集」5 詩集・短歌集・俳句集・川柳集 下野新聞社 9 野口雨情記念館(北茨城市) 訪問10・29 「野口雨情顕彰誌 雨情」 生誕120年特集号第3号 磯原雨情会 10 茨城県天心記念五浦美術館 訪問10・29 「堅山南風展 没後30年」 11 映画 「きな子」 11・5 見習い警察犬の物語 宇都宮ヒカリ座 |
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2010/ 10/15 |
![]() 1 「私の縄文美術鑑賞」 宗左近 新潮選書 (県立図書館) * 日本人のルーツは縄文人である。世界に類を絶する芸術としての縄文の独自を、 私は激しさ(動力学)と優しさ(静力学)を二つの中心とする楕円運動にあると見る。 さらには、その楕円運動の引き起こす<天空への螺旋上昇吊り上げられ運動>にあると見る。 そうであってこそ、日本人の未来を拓きうる始原(ルーツ)でありうると考える。 * 縄文の記憶も捨てて灰となった、大正・昭和の日本の東北に、たとえば、 宮沢賢治・棟方志功・太宰治・草野心平などがいる。あれこそ、 じつは遠い縄文人の蘇りではなかったろうか。 2 「芭蕉俳句新釋」 半田良平 大正14年3月発行 (市立図書館) 3 「不屈の児童文学者 猪野省三」 小杉義雄 かぬま歴史と文化 鹿沼市史研究紀要 NO7 2002.3 4 「千葉省三の生涯と作品」 安野静治 かぬま歴史と文化 鹿沼市史研究紀要 NO 6 2001.3 5 「黒船・ペリーの世界」 川上澄生 生誕115周年記念企画展 吉田正太郎の黒船館・川上澄生コレクション 鹿沼市立川上澄生美術館 6 継続 「国民的俳句百選」 長谷川櫂 講談社 7 継続 詩集 「風呂敷」 山本十四尾 茨城文学賞受賞 8 継続 「かぬまの歴史」 鹿沼市史普及版 鹿沼市史編纂委員会 9 継続 「鹿沼今昔物語」 白石くにお 2010.8.24 鹿沼商工会議所 10 継続 「栃木県近代文学全集」5 詩集・短歌集・俳句集・川柳集 |
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2010/ 10/2 |
![]() 1 「秩序と混沌 湯川秀樹論」 高内壮介著 工作舎 2 「日本美 縄文の系譜」 宗左近 新潮選書 3 「私の戦後詩」 小林猛雄 条件グループ 自伝的な県詩壇50年史 19997/12発行 4 「歌人 半田良平の生涯と作品」 安野静治 (遺稿) かぬま歴史と文化 鹿沼市史研究紀要 2004.3 5 継続 「国民的俳句百選」 長谷川櫂 講談社 6 継続 詩集 「風呂敷」 山本十四尾 茨城文学賞受賞 7 継続 「かぬまの歴史」 鹿沼市史普及版 鹿沼市史編纂委員会 8 継続 「鹿沼今昔物語」 白石くにお 2010.8.24 鹿沼商工会議所 |
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2010/ 9/14 |
![]() 1 「詩人と文明との修羅場」 高内壮介著 落合書店 2 詩集 「風呂敷」 山本十四尾 茨城文学賞受賞 3 「越中おわら」 富山県民謡越中八尾おわら保存会 4 「風の盆恋歌」 高橋治 著 新潮文庫 日本を代表する民謡と踊り、富山市八尾町の「おわら風の盆」を舞台にした大人の恋愛小説。 作品の展開に俳句・短歌・民謡が見事に使われている。いくつかを書きとどめる。 * ゆめにみし人のおとろへ芙蓉咲く 久保田万太郎 * 若しや来るかと窓押し開けて見れば立山 オワラ 雪ばかり 八尾四季 小杉放庵 * 漁火涼し寄らば悲しきことや見む 堀 麦水 蝶の行く末の低さや今朝の秋 行く秋や日なたにはまだ蟻の道 * 年一つ老い行く宵の化粧かな 几董 * 日暮れ待つ青き山河よ風の盆 林火 * 枯蘆の日に日に折れて流れけり 闌更 5 継続 「国民的俳句百選」 長谷川櫂 講談社 高内壮介 「詩人と文明との修羅場」より (音楽と永遠)より
文芸・科学評論家でもあった高内壮介氏を再発見できた。 この詩の中の「音楽」という言葉を、「現代の詩」に変えてみても、 まったくその通りなのだと思う。人間がいま文明の修羅場にあって 生きる不安をどうすることもできずに混迷しているからであろうと思う。 |
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2010/ 9/4 |
![]() 1 「二きれの餅」 石山寅吉 ・・・社会主義者の遺稿句集・・・ 石山寅吉遺稿集編集委員会 2 「栃木の童話」 日本児童文学者協会 リブリオ出版 3 「下野の歌文」 渡辺幹雄 下野文庫 栃の葉書房 4 「手塚治虫の旧約聖書物語」@AB 集英社文庫 1 天地創造 2 十戎 3 イエスの誕生 5 継続 「川上澄生 詩歌と版画の世界」 鹿沼市立川上澄生美術館 6 継続 「国民的俳句百選」 長谷川櫂 講談社
富山市八尾、「おわら風の盆」を見に行ってきた。その際に詠んだ歌3首。 * 翠流も雨情もここに時雨れたり 八尾の衆の風の盆歌 * 彼の岸にしなる手先はとどきたり 井田の川面のゆらぐぼんぼり * 立山に風送られて鎮まりし 色づく八尾おんな盆唄 |
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2010/ 8/26 |
![]() 1 「詩人の行方」 高田太郎 コウホネの会 栃木県現代詩人について・・・詩論・エッセイ集 2 「聖書」 宝島社 島田裕巳 監修 3 「半田良平の歌と生涯」 阿部豊三郎著 短歌新聞社 (市立図書館貸出) 4 継続 「川上澄生 詩歌と版画の世界」 鹿沼市立川上澄生美術館 5 継続 「般若心経」・・読む・聞く・書く・・法楽寺住職 小松庸祐 西東社 6 継続 「国民的俳句百選」 長谷川櫂 講談社 |
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2010/8/20 |
![]() 1 「国民的俳句百選」 長谷川櫂 講談社 2 詩集「舞雪」 山本十四尾 3 「かぬま文化年報」33号平成22年 鹿沼市文化協会 4 継続 「般若心経」・・読む・聞く・書く・・法楽寺住職 小松庸祐 西東社 5 歌集 「幸木」 半田良平 (市立図書館貸出) 6 歌集 「野づかさ」 半田良平 (市立図書館館内閲覧) 7 「歌人 良平に寄せて」 半田良平顕彰会 (市立図書館貸出) ![]() 1 映画 「ていだかんかん」 宇都宮ヒカリ座 7・22 ・・・海とサンゴと小さな奇跡・・・ 2 「大江健三郎講演会」 市文化センター大ホール 7・31 ・・・生きること・本を読むこと・・・「水死」購入 3 「川上澄生 詩歌と版画の世界」展 新・鹿沼八景展 鹿沼市立川上澄生美術館 8・8 4 映画 「春との旅」 宇都宮ヒカリ座 8・10 監督・脚本・原作 小林政広 仲代達也・徳永えり・大滝秀治・菅井きん・小林薫 2010・日本・・・・生きる道、きっとある。・・・ 日本の家族を見つめて、生きることの素晴らしさを探る人生賛歌。
明治20年9月10日生まれ、昭和20年5月19日死去(58歳4月)、 宇都宮中学から仙台の第二高等学校へ進みその後、東京帝国大学英文科に学んだ。 宇中時代から短歌・詩などの投稿をはじめ、上京しては窪田空穂と交友した。 私立東京中学校英語教師を務めるながら、10月会同人としても活動。 処女歌集「野づかさ」大正8年(33歳)発行、昭和23年遺稿歌集「幸木」が発行された。 日本芸術院賞受賞、母校・鹿沼市立津田小学校のほか、市内に歌碑が4つある。 |
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2010/ 7/16 |
最近の
読書 2010・7・16 記 1 継続 「俳句鑑賞450番勝負」 中村裕 文春新書 2 継続 「般若心経」・・読む・聞く・書く・・法楽寺住職 小松庸祐 西東社 3 「やつあたり俳句入門」 中村 裕 文春新書 4 詩集「雷道」 山本十四尾 5 「四季の言葉」 中村裕 小学館 6 「栃木県現代詩年鑑」2010 最近の文芸鑑賞 2010・7・16 記 1 「シャガール展」 東京藝術大学美術館 7/11 ロシア・アバンギャルドとの出会い・・・交錯する夢と前衛・・・ 2 「印象派とエコール・ド・パリ展」 横浜美術館 7/13 3 交響曲第6番<悲愴> チャイコフスキー ワレリー・ゲルギエフ指揮ウイーンフィル philips SuperーHM-CD
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2010/7 |
最近の 読書 2010・7・6 記 1 山本十四尾 詩集 「鬼捜し」 * 川に舞いおりる雪の中にあって 私に祖母や母のつぶやきが蘇る ことしも徒し子が帰ってきた 音のない跫音 沈黙の飛来 となりの村にも にっぽん全土に 世界のあちこちに 雪が降りつづいている 「徒し子」より 2 「子どもの詩」 川崎洋 編 文春新書 3 「俳句鑑賞450番勝負」 中村裕 文春新書 4 「差別と日本人」 野中広務・辛淑玉 角川ONEテーマ21 5 「般若心経」・・読む・聞く・書く・・法楽寺住職 小松庸祐 西東社 最近の文芸鑑賞 2010・7・6 記 1 「いのちの山河〜日本の青空U」 大澤豊 監督作品 試写会 7月1日 鹿沼市文化センター 上映会 8月19日(木) @15:00〜、A18:30〜鹿沼市文化センター大ホール * 岩手県沢内村の三悪「豪雪・多病・貧困」に、生命の尊厳を理念として挑む 深沢晟雄村長のドキュメンタリー。 2 「孤高のメス」 宇都宮ヒカリ座 6月30日 14:10〜 原作 大鐘稔彦 脚本 加藤雅人 監督 成島出 * 脳死肝移植に挑むひとりの医師の信念、いのちへの賛歌 3 「Eternal Chopin 永遠のショパン」 EMI Classics CD 1・2 200th Aniversary Edition
*「差別と日本人」 かつて、野中広務氏が第一次村山政権の自治大臣のとき、私は政務次官としてつかえたことがある。さすがに痛みを知る筋金入りの人権派保守政治家だとあらためて敬愛した。辛淑玉氏は党や議員の勉強会でお目にかかったことがある。 *「いのちの山河〜日本の青空U」をみて、日本の里山文化には未来があり、掘り起こすべき希望があると思った。 |
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2010/6 |
最近の 読書 2010・6・6 記 1 詩集 「葬 花」 山本十四尾 勁草書房 2 「遠野物語」を読み解く 石井正巳 平凡社新書 3 「逆立ち日本人論」 養老孟司・内田 樹 新潮選書 * 身体から発せられる言葉には、それにふさわしい強さがある。ものごとの理解が身体を強く介している。(内田樹に対して、養老) * 文明は辺境から興る。ルカーチ(異世界に接する辺境こそ、もっともインターナショナルである。) * 随処に主となれば立処皆真なり。・・・臨済録 * 退屈な日々のうちにこそ無数の冒険が潜んでいる。・・・内田 * 大人になれ日本・・・「システムの老化と捉えるのではなく、成熟させるということだ」 * 言葉には力のある言葉と力のない言葉があって、力のある言葉に人間は反応する。力のある言葉だけが人に届く。そういう言葉の持っている力は意味のレベルじゃなくて、もっとフィジカルなものです。言葉自身が持っている響き、深み、音韻といった、具体的な何かが身体の中にしみこんでくる。内田 * どん底に落ちたと思ったら掘れ。底がぬけ落ちたらどんどん掘りまくる。そうやって堀まくるとその底にこそ、自分にしか見つけられないようなことが埋まっている。養老 最近の文芸鑑賞 2010・6・6 記 1 「細川家の至宝」展 東京国立博物館 5月26日(水)15:30〜 珠玉の永青文庫コレクション 2 「戦場でワルツを」 宇都宮ヒカリ座 ・・・過去が語り始める・・・・1982年パレスチナ難民大虐殺・・・なぜ俺は覚えていない? 6月1日 18:30〜20:00 監督・脚本・製作:アリ・フォルマン : アカデミー賞外国映画賞ノミネート、ゴールデングローブ賞最優秀外国映画賞他。 監督自らが兵士として経験したレバノン戦争を題材に、戦争の本質を描く衝撃のドキュメンタリー・アニメーション。 |
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2010/5 | 最近の 読書 2010・5・8 記 1 詩集 「葬 花」 山本十四尾 勁草書房 2 「読史余滴」 岡田幸夫 晃南印刷(株) 3 「身体の文学史」 養老孟司 新潮選書 最近の名画・音楽鑑賞 2010・5・4 記 1 「噴煙の山・・・わたしの那須」2006年 山内かむ志 監修 白旗史朗 5月4日〜6日写真展 栃木県総合文化センター 2 「山嶽慈心」 1998年、 3 「渇仰の峰々」 1998年、 4 「尾瀬ー慈心尽くるところ無し」 2002年 NOTE 06 山内さんは鹿沼樅山町301 にお住まいの方である。山岳写真の会「白い峰」終身会員、NPO法人日本高山植物保護協会会員、そして、飯田蛇笏主宰・俳誌「雲母」会員だった方である。これまでに「山嶽慈心」1998年、「渇仰の峰々」1998年、「尾瀬ー慈心尽くるところ無し」2002年を刊行してきた。いずれも個展に伺い写真集を手に入れて大切に見ている。第一句集「晃南麓」1994年、第2句集「山の聲」2005年刊行しているが、句集はこれから読みたいと思っている。 |
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2010/4 |
最近の 読書 2010・4・26 記 1 「評伝 川上澄生」 小林利延 下野新聞社 584P * 川上澄生の「初夏の風」は、想う女性への情熱を発想の出発点とし、ボッティチエリの「ヴィーナスの誕生」に沿って作品の構成を展開し、女性の賛美に到達しようとした。それは画面の中を拭きぬける風を造形化しようとするボッティチエリの意図を見抜き、自らの表現の中心に据えた川上澄生の眼の確かさを表わすものであろう。 2 「川上澄生/詩と絵の世界」編集 鹿沼市立川上澄生美術館 毎日新聞社 3 「川上澄生が描いた女性」・・ノスタルジァを求めて・・ 鹿沼市立川上澄生美術館 4 「川上澄生と民藝」 ・・・濱田庄司・芹沢_介・塚田泰三郎・棟方志功と共に・・・ 鹿沼市立川上澄生美術館 5 「川上澄生ー日常から生まれるものー身辺のデザイン」 開館15周年記念 鹿沼市立川上澄生美術館 6 「栃木の川上澄生」ーその足跡をたどるー 開館15周年記念 鹿沼市立川上澄生美術館 NOTE 5 2010/5/8 記 川上澄生の詩と木版画に親しんでいる。素朴さと真面目さ、そして滑稽さも兼ね備えた一途な感性において”原鹿沼人”が共鳴してやまないものをたぶんにお持ちになり、表現されている方だといっては失礼に当たるだろうか。これからも詩と版画をなつかしく鑑賞して行きたいと思う。 最近の名画・音楽鑑賞 2010・4・23記 「牛の鈴音」 宇都宮ヒカリ座 4/23 監督作品 イ・チュンニョル |
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2010/4 |
最近の名画・音楽鑑賞 2010・4・9 記 1 「扉をたたく人」 theVisitor 宇都宮ヒカリ座 監督・脚本:トム・マッカーシー 出演:リチャード・ジェンキンス、ヒアム・アッバス 2 「孫文」 100年先を見た男 宇都宮ヒカリ座 監督:デレク・チウ 脚本:メイ・ズー 主演:ウィンストン・チャオ 3 千住真理子 ヴァイオリンリサイタル 3・28鹿沼市民文化センター 4 「母なる証明」 宇都宮ヒカリ座 4/8 最も謎に満ちているのは、人間そのものである。 監督:ポン・ジュノ 主演:キム・ヘジャ、ウォンビン 最近の 読書 2010・4・13 記 1 山本十四尾詩集 「水の充実」 コールサック社 2 山本十四尾詩集 「女将」 コールサック社 3 「川上澄生/詩と絵の世界」編集 鹿沼市立川上澄生美術館 毎日新聞社 4 「川上澄生が描いた女性」・・ノスタルジァを求めて・・ 鹿沼市立川上澄生美術館 5 「文学の扉・詩の扉」 苗村吉昭 澪標 6 詩集「魂の緒」 貝塚津音魚 コールサック社 7 「エレファントム」 木楽舎 ライアル・ワトソン 福岡伸一・高橋紀子 訳 *耳を済ませよう、自然は歌と真実に満ちている。 ・超低周波が繋ぐ社会 ・埋葬の儀式 ・象と鯨、最大の動物の邂逅(超低周波交信) ・世代を超えた記憶の伝承 8 「ロハスの思考」 福岡伸一 著 ソトコト新書 * LOHAS・・・Lifestyles Of Health And Sustainability NOTE 4 わたしはかつて、次のように記したことを思い出した。 巻貝の螺旋には石化した億年の響きがある 未知のためか今もこんなに口を開いて おおー 発端の謎 希望の渦 (炎のエスキース 29)より 9 「音楽の聴き方」 岡田暁生 著 中公新書 * 音楽は決してそれ自体で存在しているのではなく、常に特定の歴史・社会から生み出され、そして特定の歴史・社会の中で聴かれる。どんなに自由に音楽を聴いているつもりでも、私たちは必ず何らかの文化文脈によって規定された聴き方をしている。そして「ある音楽がわからない」というケースの大半は、対象となる音楽とこちら側の「聴く枠」との食い違いに起因しているように思う。・・・自由に音楽を聴くことなど誰にもできない。ただし、自分自身の聴き方の偏差について幾分自覚的になることによって、もっと楽しく音楽と付き合うことができるのではないか。 10 「魅惑の詩人 西脇順三郎」 柏原宏文 http://www7.ocn.ne.jp/〜hkasiwa./nisiwaki.htm よりDownload |
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2010/3 |
最近の 読書・鑑賞など 2010・3・16 記 1 「日本辺境論」 内田 樹 新潮新書 p253 2 「原点が存在する」 谷川 雁 講談社文芸文庫 p277 松原新一編 3 「「里」という思想」 内山 節 新潮選書 p218 4 「吉本隆明のDNA」 藤生京子 朝日新聞出版 p299 5 「歌集 いのちの旅」 森 富男 短歌研究社 p228 *高根沢町宝積寺の森さんからご送呈いただいた歌集です。 難病と闘い、長期透析治療をしながらいのちの旅を続ける森さんに心から敬意を表します。 NOTE 03 2010/3/16 21世紀、原点は里山にあり。山紫水明、自然と共生し無名に生きる辺境の民にあり。そこに置き忘れてきた少年の眼で太母を見つける。打って出でよ、里山イニシアティブ!なつかしき未来に! |
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2010/2 |
最近の 読書・鑑賞など 2010・2・16 記 NOTE 01 2010 /2/7 わたしの「雪の名句・一行詩」の中に船村徹の詩を加えたい。「雪ふる」は生死のきわみであり、再生の源(みなもと)であると思えるのである。・・・・日本の詩史を眺めながら、「雪」を切り口にして、その時代と個的感性のありようを紐解き、普遍性に辿りつきたいと思っている。荷は重過ぎるが得るものは計り知れないだろう。 NOTE 02 2010/2/16 <わたしにとっても、その後の人生を規定したのは、あの学生時代の全共闘運動であったといえる。45・6年前のあの時期をどう過ごしたか、どういう意味があったといえるのか。この歳になれば、できるだけはっきり伝えたいと思う。そのためにも吉本隆明や谷川雁をもう一度自分なりに読み直そうと思う> 1 「1968年」 すが秀実 ちくま新書 300P * 現代は68年に規定された時代である。先進国の同時多発現象として、グローバリズムの時代を開いた、20世紀唯一の世界革命といえる。 * 68年を担った世界の新左翼の前提である「反スターリン主義」は、東欧革命とソ連邦の解体という89年〜90年の事件によって、本当のものになってしまった。・・・東西冷戦体制の崩壊・・・ 2 「思想としての全共闘世代」 小阪修平 ちくま新書 219P 再読 * ある時代を通過したことが、それ以降の生にとってどういう意味を持っていたのか。人は自分の環境としての時代をえらぶことができない。 * 三派的な学生運動に距離感を感じていたぼくは、、フロントの部屋に出入りするようになった。フロントというのは、社会主義学生戦線の略で、統一社会主義者同盟(統社同)という党派の学生組織だった。統社同は日本共産党からわかれた、構造改革派の党派で三派からは、どちらかというと軟弱な政党といわれていた。ぼくがフロントに近づいたのは、この党派が市民社会の現実性を一番認識しているように思えたからだ。 * 歴史的・社会的に見たとき全共闘とはなんだったのか。ぼくは「意味のある空騒ぎ」という表現をよく使う。 * 全共闘運動は、個人的な闘争であり、その人自身の生き方を問うたたかいだった。 * 近代的知性の欺瞞を批判し、東大生という社会的規定性を解体・自己否定して再生しようとする知性、これが山本義隆によって代表された東大闘争の理念であった。 * 自発性・現場性・当事者性・対等性を重視した運動形態こそが、全共闘の本質なのである。70年代以降の市民運動や日常的な活動、他人への態度のなかに全共闘の特徴は受け継がれていると考える。IT技術の進歩した現代の世界で全共闘的なるものはネットワークを通して連結してゆく可能性をより大きくした。 3 「できそこないの男たち」 福岡伸一 光文社新書 285P * 地球が誕生したのが46億年前、そこから、最初の生命が誕生するまでにおよそ10億年が経過した。そして生命が現れてからさらに10億年、この間生物の性は単一で、すべてがメスだった。 * <生命の基本仕様>それは女である。本来すべての生物はまずメスとして発生する。メスは太くて強い縦糸であり、オスは、そのメスの系譜を時々橋渡しし、細い横糸の役割を果たす、”使いっ走り”に過ぎない。 4 「初期ノート」 吉本隆明 光文社文庫 566P 5 「吉本隆明1968」 鹿島 茂 平凡社新書 423P 6 「罪と罰ノート」 亀山郁夫 平凡社新書 293P 7 「国士無双人生」 斎藤新一 下野印刷(株)・・・随筆と詩と川柳と・・・ |
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2010/1 |
最近の 読書・鑑賞など 2010・1・1 記 1 「宮沢賢治論」 吉本隆明 光文社文庫 2 { 「カラマーゾフ兄弟」の続編を空想する} 亀山郁夫 光文社新書 3 「アポロンの地獄」 DVD パゾリーニ監督 4 「奇跡の丘」 DVD パゾリーニ監督 5 「聖書のすべて」 ひろさちや監修・中見利男著 日本文芸社 6 「動的平衡」・・生命はなぜそこに宿るのか・・ 福岡伸一 木楽舎 7 再読「生物と無生物との間」 福岡伸一 講談社現代新書 ![]() |
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2009/12 |
最近読んだ本 2009・12・8 記 1 「カラマーゾフの兄弟」 1・2・3・4部及び5 (エピローグ及び付「ドストエフスキーの生涯」「解題・・父を殺したのはだれか」、亀山郁夫) 亀山郁夫 訳 光文社古典新訳文庫 * 「はっきり言っておく。一粒の麦は地に落ちて死ななければ一粒の麦のままである。死ねば多くの実を結ぶ。」ヨハネの福音書第12章24節 * 学生時代からの念願だったこの長編小説をようやく読了した。(2009・11・11〜12・8)それにしてもものすごい作品だ。 * 高校・大学生時代のころの苦しかった様々な問題意識や生活がときどきラジカルに蘇ってきた。文学的な原体験として、その意味をもっと深めていきたいものである * 訳者の亀山郁夫氏は宇都宮高校の後輩で、現在東京外国語大学の学長を務めている。去年、鹿沼市教育会に講演に来ていただいたおり、初めてお会いすることができた。(2008・10・1) 2 {新訳「カラマーゾフの兄弟」を読む} NHK出版 「父殺し」の深層 3 再読 「ドストエフスキー 謎と力」 亀山郁夫 文春新書 4 「詩の力」 吉本隆明 新潮文庫 * 戦後現代詩の手引き書として傑出した作品だ。われらが吉本隆明万歳だ! |
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2009/11 |
最近読んだ本 2009・11・8 記 1 「定年後」 加藤 仁 岩波新書 ・・・豊かに生きるための知恵・・・悔いのない8万時間のためのヒント満載 * 21歳〜60歳 40年×2000時間=80.000時間 61歳〜80歳 20年×(1日11時間×365日)=80.300時間 1日24時間・・・(睡眠・食事・入浴・トイレなど、13時間)余暇11時間 * 一期一会というが、人と会うたびにこれが最後という気持ちで付き合うことが必要になってくる。会合の都度、お互いの告別式だと考えてもおかしくない。 * 自分らしく躍動することが第一、収入は二の次という定年文化が各地で築かれつつある。定番メニューにこだわることなく自分の関心事に突き進めばいい。あくまでも、自己本位を貫き,個に立ち返ることを心掛けたい。 2 「温暖化地獄」 山本良一 ダイヤモンド社 * 私たちは今後全力で対策に取り組んだとしても、産業革命以前と比べ1.8℃ の気温上昇は覚悟すべきだ。欧州の気候ターゲット2.℃の観点からすると、1.8℃というのは相当の危険水準である。平均気温が2℃突破すると、地球上に様々な破局的現象が生じる。2℃突破直前までに私たちは足を踏み入れると認識すべきだ。とすると、2050年までに温室効果ガスの削減目標80%は当然である。 * 一国の繁栄とサステナビリティ(持続可能性)はその包括的環境政策と環境ビジョンに依存することになった。20世紀型の大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とする工業偏重、農業軽視の”古代文明”は早晩崩壊を余儀なくされることは100パーセント確実である。 3 「心脳コントロール社会」 小森陽一 ちくま新書 * それと気づかれないまま、人を特定の方向に誘導するマインド・マネッジメント。脳科学の知見を取り入れた「心脳マーケッティング」に基づくこの手法は,今や商品広告のみならず、政治の世界でも使われている。マスメデイアを通してなされるこの種の心脳操作は、問題を快か不快かの二者択一に単純化し、人を思考停止へと追い込む。「テロとのたたかい」をさけんだ米ブッシュ政権も「改革」を旗印とする小泉政権も、この手法を用いて世論を動かした。 * 人の認知や認識の95%は無意識の部分でおきる。 * 無意識に持つ暗黙知(身体化された認知)を意識的な知に転換するのにメタファーが用いられる。 4 「マインドコントロールの恐怖」 S・ハッサン 緑風出版 ・・・ Combatting Cult Mind Contorol・・・ * マインドコントロールの4つの要素 1 行動コントロール・・・上位者への報・連・相、行動を支配、(服従・依存) 2 思想コントロール・・・善悪二元論へ多元的現実世界を還元 3 感情コントロール・・・罪悪感と恐怖感、(催眠・暗示・集団心理) 4 情報コントロール・・・外部情報を遮断 |
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2009/9 |
最近読んだ本 2009・9・12 記 1 「不登校という生き方」 奥地圭子 NHKブックス ・・・教育の多様化と子どもの権利・・・ 2 「地域とともに学校文化を立ち上げる」 佐藤学 明治図書 ・・・生徒と教師と保護者・地域が対話しながら学びあい、育ちあう授業づくり・学校づくり・・・新潟県長岡市南中学校 3 「CS研レポートVol 63」 啓林館 ・・・今子どもが危ない! 特集 環境W・・・ 4 「CS研レポート Vol 56」 啓林館 ・・・今子どもが危ない! 特集 生活習慣ーT・・・ *21世紀の「知の世界」を切り拓く「持続可能な開発」と「教育」 元東大総長 吉川弘之 5 「生物と無生物のあいだ」福岡伸一 講談社現代新書 6 「生きなおす力」 柳田邦男 新潮社 |
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2009/7 |
最近読んだ本 2009・7・26 記 1 「メディア漬けで壊れる子どもたち」 少年写真新聞社 ・・・・清川輝基・内海裕美共著・・・ 2 「教師花伝書」 佐藤学 東京大学大学院教授 小学館 3 「教師たちの挑戦」 佐藤学 東京大学大学院教授 小学館 4 「学びとケアで育つ」監修 佐藤学 東京大学大学院教授 小学館 著者代表 津守 眞、岩崎禎子 2009・7・2 記 1 「学校給食」 牧下圭貴 岩波ブックレット NO 751 2 「生命と食」 福岡伸一 岩波ブックレット NO 736 3 「全国学力テスト」 志水宏吉 岩波ブックレット NO 747 4 「教員評価」 苅谷剛彦他 岩波ブックレット NO 752 5 「格差社会と教育改革」 岩波ブックレット NO 726 苅谷剛彦・山口二郎 6 「教員免許制度を問う」今津孝次郎 岩波ブックレットNO 753 7 「杉並区立和田中の学校改革」苅谷剛彦他岩波ブックレットNO 738 8 「学力を高める朝の読書」 山崎博敏 メデイア・パル 9 「光に向かって咲け」 粟津キヨ著 岩波新書342 1986年 ・・・斉藤百合の生涯・・・ |
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2009/5 |
最近読んだ本 2009・5・31 記 1 「学力と階層」 苅谷剛彦 朝日新聞出版 2 「学力の社会学」 岩波書店 苅谷剛彦・志水宏吉編 3 「学力低下の実態」 岩波ブックレット NO 578 苅谷剛彦・志水宏吉・清水睦美・諸田裕子 4 「多読術」 ちくまプリマー新書 松岡正剛 5 「共生経済始まる」 内橋克人 朝日新聞出版 6 「世界」5月号 岩波書店 特集・・・日本版グリーンニューディール * 映画「おくりびと」と新しい死の文化・・ 島薗進(東京大学・宗教学教授)など |
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2009/4 |
最近読んだ本 2009・4・26 記 1 「ひらめき脳」 茂木健一郎 新潮新書 2 「詩と死をむすぶもの」 谷川俊太郎 VT 徳永進 ・・・詩人と医師の往復書簡・・・ 3 「児童虐待」 川崎二三彦 岩波新書 ・・・現場からの提言・・・ 4 「生き方の道徳教育」太田直道 三学出版・現代道徳哲学20講・・・ |
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2009/3 |
最近読んだ本 2009・3・22 記 1 「短章集・続 焔に薪を/彩の雲」 永瀬清子 詩の森文庫 2 「とちぎ綾織り」 水樹涼子 随想舎 ・・・下野の歴史と伝説を訪ねて・・・ 3 「野外教育情報」 NO17 (財)日本教育科学研究所 ・・・特集:学校の宿泊行事・・・ 4 「栃木県における今後の社会教育のあり方」 とちぎ発 社会教育による地域づくり ・・・第29期栃木県社会教育委員会議 答申 2008.7.4 最近読んだ本 2009・3・1 記 1 「短章集」 蝶のめいてい/流れる髪 永瀬清子 詩の森文庫 2 「悩む力」 姜尚中 集英社新書 3 「学校評価」 金子郁容 ちくま新書 ・・・情報共有のデザインとツール・・・ 4 「研究紀要」 平成18・19・20年度 体験活動ジョイントプログラム事業 鹿沼市立板荷小学校・中学校 |
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2009/1 |
最近読んだ本 2009・1.・31 記 1 「日本で一番いい学校」 岩波書店 金子郁容 慶応義塾大学SFC大学院政策・メディア研究科教授 ・・・地域連携のイノベーション・・・ 2 「コミュニティ・スクール構想」 岩波書店 金子郁容・鈴木寛・渋谷恭子 ・・・学校を変革するために・・・ 3 「CS研レポート Vol 62」 環境V 今子どもが危ない! ・・・特別企画 特別支援教育(2) 啓林館 4 「戦後代表詩選」 詩の森文庫 思潮社 |
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2008/12 |
最近読んだ本 2008・12.・ 28 記 」 [学力を育てる」 志水宏吉著 岩波新書 *公立学校は、今日推進されようとしている「市場」や「選択」といった原理とは異なる原理によって人々の新たな社会関係を形成していく場、戦略地点となりうる。生活空間を共にする人々が,たまたまの縁で出会った場で、新しい人間関係を結び、その協働を通して、新たな価値なり成果物なりを生み出していく。そのプロセスの中で成長するのは、子どもだけではない。教師も成長し、そして、地域の人々も成長する。 *公立学校に関して、全面的な学校選択の自由を認めれば、地域社会が今よりも、もっと殺伐とした希薄な人間関係しか持たないものになってしまうのは必定である。 <学力の樹> ・・・志水宏吉(大阪大学大学院 教授) 「学力を育てる」岩波新書 より
2 「なぜ日本人は学ばなくなったのか」 斎藤孝著 講談社現代新書 ・・・ 日本の「教育力」を取り戻す・・・ * 学ぶ意欲は未来への希望と表裏一体である。 * 日本人に脈々と受け継がれてきた「学ぶ心の伝統」こそが日本人の最大の財産だ。 * ドストエフスキーの大長編「カラマーゾフの兄弟」の新訳(亀山郁夫訳)が数j十万部もいきなり売れる国なんてそうあるものじゃない。これは世界に誇れる一つの奇跡だ。 3 「公立小学校の挑戦」 志水宏吉著 岩波ブックレット No 611 ・・・「力のある学校」とはなにか・・・・ 4 「教育の力」 安積力也著 岩波ブックレット No 715 5 「教育ジャーナル」 2009年1月号 学研 |
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2008/11 | 最近読んだ本 2008・12.・3 記 」 [公立学校の底力」 志水宏吉 ちくま新書 スクールバスモデル・together号 * 「力のある学校」の8つの要素 @ 気持ちのそろった教職員集団(Teachers) A 戦略的で柔軟な学校運営(Organization) B 豊かなつながりを生み出す生徒指導(Guidance) C すべての子どもの学びを支える学習指導(Effective teaching) D ともに育つ地域・校種間連携(Ties) E 双方向的な家庭とのかかわり(Home-school link) F 安心して学べる学校環境(Environment) G 前向きで活動的な学校文化(Rich school culture) 2 「教育格差が日本を沈没させる」 福地 誠 洋泉社 * 止まらない教育格差の拡大。・・・公立小中学校の7割に習熟度別学級が導入され、公立の中高一貫校化とエリート校化が進んでいる。ボトムアップ型からプルトップ型へと舵を切ったため、既に公教育にも平等という理念はなくなった!しかも国家の教育投資は先進国最低レベル。家庭の経済力や文化力が教育格差に直結する状況を後押しする日本は、「知力」が国を動かす時代に逆行しているだけではないのか!* 教育モデルではフィンランドとイギリスが激突している構図は、社会民主主義と新自由主義の思想的な対立でもある。日本の教育は、どんどん新自由主義に向かっている。総論としては平等が失われることに危惧の念を抱く人も多いけれど、わが子のことになると新自由主義的な判断をする人が多い。そこにこの問題の難しさがある。単純にどちらかを選ぶことはできず、その中間が落としどころになるだろう。・・・すでに公教育は、平等を実現する過程ではなく、不平等を固定する過程となっている。 3 「芸術の神様が降りてくる瞬間」 茂木健一郎 光文社 ・・・・天才たちの脳はどう発想するか・・・・ VT ・町田康 ・金森穣 ・山下洋輔 ・立川志の輔 ・荒川修作 * 私たちは、自分たちの内なる多様性に、もっと目を開いたほうが良いのではないか。・・・私たちが意識の中で感じる様々なクオリアの多様性は、そのまま、脳の中の神経細胞のネットワークの多様性でもある。・・・自らの成り立ちにおいて多様であれ、そして、容易には理解し得ない、異質な他者を許容せよ。・・・人生という多様性の海の中で・・・・ 茂木健一郎 4 「心の扉を」 丸山 隆 小学館スクウェア ・・・・相談室からのメッセージ・・・・ * カウンセラーの仕事とは、クライアントの話から、本人も気づかぬ小さな変化を感じ取り、虫眼鏡で拡大して、共に希望を見つけていく作業だ。 5 「不死身の落語家」 春風亭柳桜 うなぎ書房 * 寄席でもって、他の噺家さんと違うところというのは、高座でしょうか。義足のため正座ができませんから、小さな椅子に腰掛けて高座をつとめています。なんだか、釣堀で魚釣っているみたいでうまくない。講談で使う釈台よりずっとコンパクトなものを前においておしゃべりしております。この台、落語用の台ということで、名付けて「落台」ね、いいネーミングでしょ? 春風亭柳桜 |
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2008/10 |
最近読んだ本 2008・11・3 記 」 [理不尽社会に言葉の力を」 新日本出版社 ・・・格差社会は言葉で退治せよ! 小森陽一 * 「お前の代わりはいくらでもいるんだよ」 「君はこの仕事向いてないんじゃない」 「こんなこともわからないの」 「進路は自由選択、その結果は自己責任」 こんな一言、どう考える? * 高校卒業後、正規社員として就職し、60歳まで同じ企業に勤め続けた場合の生涯賃金は、男性で、約2億3500万円になる。ずっと非正規雇用のままの場合は60歳までで約6500万円で、生涯賃金の格差は4倍近く開いてしまう。 2 「生きて死ぬ私」 ちくま文庫 茂木健一郎 * 人生のすべては脳のなかにある。物質である脳に、どうして心という精神現象が宿るのか。 * 私たちの無意識は私たちの意識が一生かかっても汲みつくせないくらいの、さまざまな物言わぬものたちを隠した巨大な海なのではないか。 * 「祈り」という行為は、神の沈黙を破ろうとする動機にもとづいている。 3 「現代詩入門」 詩の森文庫 谷川俊太郎・大岡信 * 現代詩あるいは戦後詩は、1960年代後半に微妙な変化を経ている。この変化とは、詩が詩であることの根拠が問われるようになったことである。1960年代以降に書かれる詩は、疑われることなく書かれ読まれた"歌”の時代から、根拠が常に問われる”原理”の時代への転換といってもいいだろう。・・・渡辺武信 ・1961年「詩はほろびた」 谷川雁のエッセイ 「断言肯定命題」 * 現代詩があまりにも自分の思想、観念あるいは感情の表現の範囲内にとどまろうとしていることは問題だ。このままの状態が続いていくとすれば,詩はごく少数の人の、一種の手工芸品的なものとなってしまうだろう。いつの場合にも、やはり他者と自分自身がどういう風に関わっていくかということ、そこに大きなポイントがある。・・・大岡信 4 「教育ジャーナル」10月号・11月号 学研 * 私学になくて公立学校にあるものは、地域。コミニティ・スクール、学校支援地域本部と、初めから地域との連携込みの施策も推進されてる。時にはやっかいな存在になる地域や保護者をいかに学校の味方につけるか、そこに学校の将来はかかっている。・・・ 教育ジャーナリスト・和田誠 |
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2008/9 |
最近読んだ本 2008・9・15 記 」 [学力低下を克服する本」 文春文庫 わが子のつまずきを発見し圧倒的な学力をつける 立命館大学教授 陰山英男 小河学習館館長 小河 勝 * 陰山試案風に、中央教育審議会に提案すれば、「自立した人間の育成には、すべての思考活動の土台としての基礎学力の全員による取得が必要。過度な画一的教育への反省という観点から押し進められた80年代以降の教育改革路線が、基礎鍛錬の軽視という形で学力低下を生み、民主主義の土台を浸食しつつある。」とでもなりましょうか。 2 「教育振興基本計画について」 中央教育審議会 ・・・教育立国の実現に向けて・・・答申 平成20年4月18日 3 「教育振興基本計画」文部科学省 平成20年7月1日 国会報告 4 「ドストエフスキー」謎と力 文春新書 亀山郁夫 * ドストエフスキーは「神」の存在をめぐって、キリスト教の神というより、汎神論的な宇宙,自然の霊性としての異教の神をイメージしていたように思える。「ラスコーリニコフは復活するか」の判断基準は、ひとえに、「神と触れる」、すなわち自然との宇宙的な交歓が得られるかどうかにかかっていた。ロシアの哲学者ベルジャーエフは「神=自然」との交流を失った人間の精神状態を、「大地との断絶」という言葉で表した。事実、「大地の感覚」とは、ある意味で、民衆との一体化の感覚と呼ぶことのできるものである。 * この大地とは何か。この「大地」はもはやロシアという固有性をはるかに超えたところにある永遠のトポス(位相)とでも呼ぶべき場所である。いや、宗教、人種を超えて、普遍的に人々の心のなかにある大地の理念、といってよいのかもしれない。・・・・私たちがいま取り戻さなくてはならないのは、自分の魂のなかの大地である。おのれの傲慢を捨て、大地のやさしさのなかにすっぽりと溶け合わせることのできる身体、そのときこそ、「なにかしら確固としてゆるぎないもの」は、確実に静かに一人ひとりの魂のなかに降りてくると、ドストエフスキーは言おうとしていた。 5 「忘れえぬ詩」わが名詩選 大岡信 他 詩の森文庫 思潮社 |
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2008/8 |
最近読んだ本 2008・8・10 記 」 [脳と仮想」 茂木健一郎 新潮文庫 * 人間の経験のうち,計量できないものを、現代の脳科学では「クオリア」(感覚質)と呼ぶ。 * 人間の精神の歴史は、仮想の世界の拡大の過程、別の言い方をすれば、「仮想の系譜」において捉えられる。5歳の女の子が世界のどこにも現実としては存在しないサンタクロースのことを思うのは、仮想の系譜に連なることである。小林秀雄が蛍におっかさんを見るのも、和泉式部以来の日本の「蛍」まつわる仮想の系譜の中に位置づけられることである。人間は現実にないものを見ることによって、現実をより豊かなコンテクストの下で見ることができるようになった。次第に豊かな仮想のコンテクストが積み重ねられる過程で、言葉が誕生した。仮想の系譜が積み重ねられるなかで、人々は様々なものを仮想の世界に託した。小林秀雄の場合、託されたのは美しい芸術、切実な人生体験への思いであった。 * 今日の脳科学の知見によれば、この「魂」は前頭葉を中心とする神経細胞のネットワークにともなって生み出されているらしい。一個一個の神経細胞をきり出して培養皿の上においてもそこには私の「魂」はない。「魂は」脳の中の一千億の神経細胞の関係性から生じる。しかしなぜそんなことが可能なのか、近代科学の最高最良の成果を持ち寄ってもわからない。・・もし意識の起源を本当に理解しようとすれば、現代の私たちはおそらく、もう一度デカルトの道をたどらなければならない。 2 「思考の補助線」 茂木健一郎 ちくま新書 * 感情の内包する志向的性質は私たちという有限の生が無限と向き合ったときの、精一杯の対抗の形式なのかもしれない。その対抗の形式の中からときに、人類の文化の精華が現れる。 3 「日本人の精神と資本主義の倫理」 幻冬舎新書 茂木健一郎 VT 波頭亮 * 高校大学を通して私はいわゆる「怒れる若者」であった。やがて、様々な人生経験を通して、怒りはそのままでは建設に通じず、愛に変容してこそ社会のためになるのだということを学んだ。 * プロフェッショナルとはノーブレス・オブリージュのことだ。 * 日本の大衆は公共性を分担していません。 |
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2008/6 |
最近読んだ本 2008・6・22 記 」 [発達障害の子どもたち」 杉山登志郎 講談社現代新書 * 発達における氏(遺伝子)と育ち(環境) ・・・これまでの科学的研究では、圧倒的に生物学的な素因の持つ重みが、環境因よりも大きいことが示されてきた。たとえば、非行のように、わが国では環境的な要因として考えられることが多い問題に関しても、生物学的素因と環境因とを比較すると、実は、前者のほうが圧倒的に高いということは既に結論が出ている。 * 子ども虐待の代表的後遺症・・・反応性愛着障害と解離性障害である。 ・・・現在保護された被虐待児の約8割は家庭に復帰している。家庭に帰すことが好ましいからなされているのではなく、虐待によって保護される子どもの数が予想以上の伸びを見せる中で、社会的養育の場はすでに満杯状態にあり、保護する場所がないから否応なしに家庭に帰しているのである。 * すべての子どもにとって、健康な育ちに普遍的に必要なものは何かということを考えてみると、愛着者から与えられる肯定感と自己自身が育む自尊感情の二つではないかと思う。 2 「将来のヒント・・賢者たちの教育論」 文部科学省編 東洋館出版社 30人の賢者たちが話す「学び」の心得より * 左手に科学を 右手にはおとぎ話を 柳生博 * 宇宙は私の想像を絶する真っ暗なところだった はじめに光ありきという意味がわかった気がした 毛利衛 * 私はあきらめないんです 勉強も仕事も子育ても Where there's a will, there's a way. やろうと思えばできます アグネス・チャン * 俳句は、日本人のあらゆる感情、哲学、思想などが、 たった17音の中に凝縮されているものだと思います。 黛まどか 3 「すべては音楽から生まれる」 PHP新書 茂木健一郎 脳とシューベルト * 私の中に楽器がある 4 「岡井隆の現代詩入門] 岡井隆 詩の森文庫 思潮社 短歌の読み方,詩の読み方 * 私の方法は、30代の半ばに「短詩型文学論」を書いたときに大枠のところが決まった。すなわち詩歌を一篇の構造的作品と見做して、それを意味と韻律の両面から分析しようというものである。近年それに視覚的な印象についても考察するという傾向が加わっている。 |
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2008/6 |
最近読んだ本 2008・6・1 記 」 [教育改革」 藤田英典 岩波新書 ・・・ 共生時代の学校づくり・・・ *都市化の進んだ現代社会では、学校は地域の人々にとって、数少ない共同性の基盤である。 *日本の教育は、基本的には改良主義(社会主義の修正)の立場から計画され組織されてきた。制度レベルでは今も変わっていないと考えられるが、政策レベルでは、1980年代以降、市場主義ないし、救済主義(市場主義の修正)の考え方が強まってきた。日本の教育が、いま岐路に立っているのはそのためである。 *学校再生の最重要な要件は、学校選択の自由にあるのではなく、イーストハーレムの事例が例証しているように、教師と生徒はもちろん、親や地域の人々を含めて、その学校の構成員が、自分たちの学校を「よい学校」としてつくっていくという事であろう。選ばれた特定の学校だけでなく、全ての学校にその課題を達成する機会を保障することが、重要なことであろう。少なくとも義務教育段階までの学校教育は、それを基本原理とすべきであろう。 2 「欲望する脳」 茂木健一郎 集英社新書 *人間存在の本質は、他人の心がわかると言う事である。その働きを支えるのは、脳の前頭葉にある、他人と自分を鏡のように映しあう「ミラー・ニューロン」と呼ばれる神経細胞である。ミラー・ニューロンの助けを借りて、私たちは他者を鏡として、自分を磨いていく。 * 現代の時代精神に向き合うとき、鍵になる概念の一つは、「子ども」である。高度化した経済システムは。子どものように欲望をむき出しにした消費者のあり方を必然化する。 * 私たちの内なる欲望も、そして、さまざまな生物がその中で息づく自然も、人間がうっかり思い込むよりは遥かに、高い知性に基づいている。そうでなければ、地球上でこれだけの長い時間「持続可能」なシステムとして存続することは不可能だったことだろう。「七十従心」は「無為自然」と同じである。・・・「自らの欲望を肯定する」ということが,「利己的」というニュアンスを失って生命哲学的な深みを呈するに到ったとき、人類はその長い概念上の進化の階段をまた一つ上がったことになるのだろう。 3 「詩と自由」 鶴見俊輔 詩の森文庫 * すべての人が、それぞれ特別の詩人であるーー。 ここをはなれて われらは たがいに知らず 私は私に 会う時もない 人が死んでいくごとに おれは自分から自由になり 静かに薄れてゆく 今日は 彼がゆき 明日は 別の彼がゆく 戦争のころと おなじく 流氷のゆききする海のようだ 4 「CS研レポート・Vol 61」教科教育研究所 啓林館 ・・・環境U いま子どもが危ない・・・ 特別企画 特別支援教育(1) * 実施から1年ーーその課題と問題点 * 実践的取り組みQ&A(その1) |
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2008/5 |
最近読んだ本 2008・5・6 記 1 「障害児教育を考える」 岩波新書 茂木俊彦 *特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、そのもてる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。 *また、特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである。 *さらに、特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず、傷害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ、様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり、わが国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている。 ・・・2007・4・1文科省「特別支援教育の推進について」より、その理念・・・ *本当にインクルーシブな学校は、本当にインクルーシブな社会(共生社会)を作り上げる取り組みと深く結合しなければ、実現不可能である。 2 「誰のための教育再生か」 岩波新書 藤田英典編 *教育は本質的には非権力の作用です。教育活動は教師の持つ教育的・文化的専門性の高さ、深さへの共感、あるいは子どもと教師との人間的な信頼関係と学びあいの中で自発的な学習意欲をもって成り立つ営みです。 3 「人間力の育て方」 集英社新書 堀田力 *みんなで作る、いじめをなくす憲法 第1条 ひとりひとりのわるいところではなく良いところを見て、仲良くしましょう! 第2条 クラス全員が支えあい、協力しあい友情を深めましょう! 第3条 自分がされて「いやだ」と思うことはやめましょう! 第4条 いやだと思ったら自分の思いをはっきりと伝えましょう。また、先生や友達、家族などに相談しましょう! 第5条 友達がいじめられていたら、クラスのみんなが注意し、助けてあげましょう! 第6条 いじめられている人が望むときは学級会を開いて、解決しましょう! 4 「親の品格」 PHP新書 坂東眞理子 5 「詩を読む」 詩の森文庫 谷川俊太郎 詩人のコスモロジー |
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2008/4 |
最近読んだ本 2008・4・12 記 1 「日本の教育を拓く」 筑波大学附属学校の魅力 谷川彰英編 筑波大学附属学校教員著 晶文社 * 筑波大学附属学校11校は初等中等教育や特別支援教育において、近代日本の教育をリードし続けてきた。その活動のすべてをあきらかにする。・・・・ここに日本の教育の未来がある。 2 「フィンランドに学ぶ教育と学力」 庄井良信・中嶋博編著 ・・未来への学力と日本の教育 3・・ 明石書店 *フィンランドの教育と学力の質の高さを可能ならしめているのは、格差のない社会を目指し、だれもが自由と平等の生活を享受し、生涯高いものを追い求め学び続けるという福祉社会のイデオロギーから導き出された諸施策によるものである。 中嶋博(早稲田大学名誉教授、財・教科書研究センター特別研究員) *フィンランドでは、学校の教師たちを「国民の蝋燭」にたとえる伝統がある。それは、暗闇の中で灯りをともし、知へといざない、人を導く存在としての学校教師への尊敬とあこがれを込めた表現でもある。庄井良信(北海道教育大学助教授) *今、フィンランドは世界Tと評される学力と教育全般の水準の高さで世界の国々から注目されている。だが、それは激しい「競争原理」とは程遠いーーーある意味では正反対のー穏やかな「共同の原理」の成果でもある。(庄井良信) 3 「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について」 〜知の循環型社会を目指して〜答申 平成20年2月19日中央教育審議会 |
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2008/3 |
最近読んだ本 2008・3・22 記 1 「良寛」 吉野秀雄 アートデイズ * 道元が釈迦になる方法としてもっぱら務めたのは、坐禅の行であるが、良寛のそれは、乞食の行であった。 * 人の子の遊ぶをみればにはたづみ 流るる涙とどめかねつも * この里に手まりつきつつ子供らと 遊ぶ春日は暮れずともよし * たらちねの母がかたみと朝夕に 佐渡の島べをうち見つるかも * いにしへにかはらぬものは荒磯海と むかひに見ゆる佐渡の島なり * 天も水もひとつに見ゆる海の上に 浮かび出でたる佐渡が島山 * あしひきの岩間をつたふ苔水の かすかにわれはすみわたるかも * 月よみの光を待ちてかへりませ 山路は栗のいがの多きに * あわ雪の中に顕ちたる三千大千世界 またその中に沫雪ぞ降る 2 「道元」 松原泰道 アートデイズ *仏道をならふといふは、自己をならふなり。自己をならふといふは、自己をわするるなり。 道元 「正法眼蔵」の一篇 「現成公案」より *茶の湯のお手前で、半杓の湯をもとの茶釜にもどすのは、「杓底の一残水 流れ汲む千億の人」の禅のこころの修行にほかならないのではないか。 松原泰道 3 「CS研レポートVol 60 環境T 今子どもが危ない!」 啓林館 4 「自問教育シリーズNo1 新たな発想による清掃活動」 竹内隆夫著 日本教育新聞社 |
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2008/2 |
最近読んだ本 2008・2・10 記 1 「もう一度読みたい 宮沢賢治」 宝島社 *詩集 春と修羅 序 わたくしという現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です。 (あらゆる透明な幽霊の複合体) 風景やみんなといっしょに せわしくせわしく明滅しながら いかにもたしかにともりつづける 因果交流電燈の ひとつの青い照明です。 (ひかりはたもち その電燈は失われ) 2 「伝説の算数教科書 緑表紙」 岩波書店 松宮哲夫 ・・・塩野直道の考えたこと・・・ *随流導流・・塩野直道 *「尋常小学算術」S10年〜S18年の国定教科書編纂 *算術教育の目的・・児童の数理思想を開発し、日常生活を数理的に正しくするように指導すること 3 「競争やめたら学力世界一」朝日選書 福田誠治 ・・・フィンランド教育の成功・・・ *国際学力調査PISA(Programme for International Student Assessment)でダントツの世界一の国フィンランド。EUのなかでも経済発展好調のこの国の底力は「学力」にあった。*フィンランドの学校はできない子の底上げはするが、できる子は放っておく。1980年代、習熟度別学級編成を廃止し、統合型の学級編成にした理由は、低学力のクラスが主として、低い社会・経済的背景を持つ、男子生徒で構成されていたからである。 *習熟度別クラス編成はできない子の救済にはならない。 4 「気になる子がぐんぐん伸びる授業」 小学館 品川裕香、高山恵子 ・・・LD・ADHD・アスペルガーS、すべての子どもの個性が光る特別支援教育 5 「教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ」 ・・平成19年11月7日 中央教育審議会、初等中等教育分科会、教育課程部会 6 「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」・・平成20年1月17日 中央教育審議会答申 |
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2008/1 |
最近読んだ本 2008・1・7 記 1 「この国の未来へ」 佐和隆光 立命館大学教授 ちくま新書641 ・・・持続可能で「豊か」な社会 *「機会平等を保証しさえすれば、それで十分である」とする市場主義者に対して、「第3の道」の立場にたてば、機会平等に加えて「可能性の平等」(与えられた機会を利用しうる可能性の平等)が保証されなければならない。可能性の平等のためには、公教育の整備・充実が不可欠である。公教育が荒廃しておれば、18歳に到るまでに授かる教育の質の格差が、親の貧富の格差に依存することになる。すべての子どもたちに等しく良質な教育を授けることが「可能性の平等」の必要条件である。機会均等と可能性の平等が相まってはじめて、結果不平等を是認することが正当化されるのである。 *21世紀のキーワードは「持続可能性」である。20世紀の科学技術は経済成長に寄与することを、その第1義的役割と心得ていた。他方、21世紀の科学技術は「持続可能な発展」に寄与するものでなければならない。環境制約や資源制約を跳ね返すことが、21世紀の科学技術に課せられた重い任務なのである。 2 「持続可能な福祉社会」 広井良典 千葉大学教授 ちくま新書606 ・・・「もうひとつの日本」の構想・・・ *現代日本において、個人の人生における所得水準や、失業・貧困に陥るリスク、あるいは”社会的ステイタス”等にもっとも大きい影響を持つのは、その人の受けた教育ないし学歴であるだろう。逆に言えば、十分な、あるいは適切な教育を受けていることが、その後の人生において最大の”生活保障”として機能するのであり、こうした意味で教育は「人生前半の社会保障」のもっとも重要な要素をなすのである。 *「持続可能な福祉社会」とは、「個人の生活保障や分配の公正が十分実現されつつ、それが環境・資源制約とも両立しながら長期にわたって存続できるような社会」のことである。それが経済成長を絶対的な目標と考えない、筆者がこれまで「定常型社会」と呼んできた社会像とそのまま重なっている。理念的には「独立した個人」に基本的な価値を置くという点では自由主義と共通しつつも、それに加えて、「公共性」という価値をたて、社会保障や環境保護といった点に軸足をおくとともに、個人と個人をつなぐ「新しいコミュニティ」を志向するという方向付けに基本的な特質をもつものである。 3 「川柳 知ってて重宝 看る介護看られる介護 その時に・・・」 薬剤師・ケアマネジャー 黒川雄三(山川苦酢利)氏より贈呈 |
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2007/12/7 |
最近読んだ本 1 「義務教育を問いなおす」 藤田英典 ちくま新書543 **日本の義務教育は間違いなく、いま重大な岐路に立っている。「共生・共創原理」を重視し、誰もが差別されることなく、たがいに認め合い、高めあっていくことのできる学校と社会をつくっていこうとするのか、それとも能力主義と自由主義の衣装をまとったエリート主義・「競争原理」「強者の論理」によって教育制度・社会制度を再編し、そこに生じる諸々の差別や不平等を能力主義と自己責任論によって正当化しようとするのか、その岐路に立っている。 **いま私たちに突きつけられている課題は、競争や能力主義・自己責任なるものを否定することでもなければ、共生・共創を副次的・補完的な指導理念とすることによって、その暴走・弊害を調整・緩和しようとすることでもなくて、競争原理と共生原理をどのようなものとして捉えるか、その両方を適切なものとして組み込んだ教育・社会のヴィジョンを構想し、それを制度設計と生活実践・教育実践の指導理念としていくことができるかどうかということである。 2 「学校は誰のものか」 戸田忠雄 講談社現代新書 **学校は子どものためにある。保護者が学校を選ぶ最大の基準は、校長以下教師集団の質である。・・・学校選択性について **公立学校の教師と政治家は似ている。公共性の強い職業である。しかし、政治家は選べても、教師を選ぶことはできない。 3 「戦後教育で失われたもの」 森口朗 新潮新書 |
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2007/11/25 | 最近読んだ本 1 「人間の関係」 五木寛之 ポプラ社 **人間は「関係」がすべてである。そして家族も夫婦もまず「他人」になることから出発するしかない。他人同士からはじまる「人間の関係」。それが「生きるヒント」の先にみつけた、僕なりの「答え」です。 **鬱からぬけだすための三冊のノート・・歓びノート・・>悲しみノート・・>あんがとノート・・・ (次のノートはなんだろうと考えました。「さよならノート」ではないか。”さようなら、またね”というノートだろうと思いました。そして、幼少年期ならきっと「おどろききノート」だろうとも思いました。) 2 「思想とはなにか」 吉本隆明VT笠原芳光 春秋社 **天国にいったとおもっても、また地上に還って来て、その地上を新しく見直すというのが本当の宗教ではないか。・・・親鸞風にいえば往相と還相ですが、そういう運動として宗教を考えたい。 3 「学校のモンスター」 諏訪哲二 中公新書ラクレ **やはり、教育は基本として、社会を構築しようとする近代前期的な子ども(ひと)の育成を目指すべきではないか。それを基軸に、時代や社会の変化をヴァリエーションとして加えていくべきだろう。 4 「東京の赤い雪」 漆原智良作 山中桃子絵 フレーベル館 **子どもに語りつぐ口演童話・・「赤い雪はひとの命をうばうが、白い雪はいいよなあ・・・」(赤い雪・・・1945.3.10.東京大空襲のさいの焼夷弾と火災) 5 「子どもの心がかがやくとき」 漆原智良 フレーベル館 **良書は不思議な力を持っています。子ども時代に受けとめた<心ゆさぶられた言葉>はいつまでも、心の宝庫に記憶として流れているのです。その記憶が青春時代になると、どっと湧き出してくるのです。 6 「やさしい雨」 岡嶋保之 KCクリエイティブ ** 岡嶋保之詩集 (鹿沼詩友会の岡嶋さんが還暦を節目に詩集を出しました。「団塊の世代までのふるさとがある」という趣旨の序文を書かせていただきました。) |
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2007/10/23 | 最近読んだ本 1 「西田幾多郎」・・生きることと哲学 藤田正勝 岩波新書 **日本の無の思想は「情的」な特質を持つ。(インドは知的、中国は行的)情的文化は形なき形、声なき声である。それは時のごとく形なき統一であり、生成的であり、生命のごとく発展的である。それは種々なる形を受容するとともに、之に一種の形を与え行くのである。 2 「思想とはなにか」 吉本隆明VT笠原芳光 春秋社 **環境が良くなっても、社会が良くなっても宗教はなくならない。宗教の原因は社会問題にあるのではなくて、人間存在という問題にある。人間はいつかは死ぬということが宗教の最大の問題・原因であると思う。 **宗教は人間精神の始源性、根源性の問題である。大切なことは宗教性にある。 3 「鳥になりたい」 立原 愛詩集 銅林社 **地元の詩人・澤田一志さんが、四季折々の鹿沼の自然を織り込んだ優れた抒情詩です。(小林) 4 「震度6強が原発を襲った」 朝日新聞取材班 朝日新聞社 **東京本社科学グループに所属する私の長男・小林哲からもらいました。 |
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2007.9.27 | 最近読んだ本 1 「詩の履歴書」 いのちの詩学 新川和江 思潮社 **きずだらけのこころはときどき ひらがなのくさむらにかくします しかくいもじはかどがあたっていたいのです **名を呼ぶことは、たたえること。 愛すること。 それだけでもう、詩なのである。 **攻めるもののかなしさと 攻められるもののかなしさが ひとつになって 二人はたたかっているというよりも むしろ 愛し合っているかに見える 熱狂する観衆の 声もとどかない はるかな場所で (ボクシング) 2 「教育の方法」 東京大学教授 佐藤学 (財)放送大学教育振興会 **教育の方法を学ぼうとするものは、一つの小宇宙として教室の出来事を省察し、授業を創造的に再認識する必要があります。 **現在の日本の学校教育の最大の特徴は、模倣的様式と変容的様式の分裂にある。現実の制度や実態における模倣的様式と理想や憧れとしての変容的様式の分裂です。実際日本の授業や学びを検討すると、中国や韓国の授業や学びよりも変容的様式の性格が強く、欧米の国々の授業や学びよりも模倣的様式の性格が強い特徴を示している。この二つの様式を統一することは容易なことではない。これは日本の学校教育の課題である。 **心理学の領域では競争的環境と協同的環境のどちらが生産性が高いかに関する数多くの研究が行われてきた。その大多数が、競争的環境の個人学習よりも、協同的環境のグループ学習のほうが、生産性が高いことを立証している。 3 「授業入門」 斎藤喜博 国土社 人と教育双書 **教師は授業で勝負する。子どもは教師を裏切らない。 **よい授業には、すぐれた芸術作品と同じような緊張と集中がある。 **作品は「子ども」である。 **教育は一つの冒険なのだ。授業のなかで教師が子どもと一緒に未知の世界へ突き進もうとして、道のないところを歩むように、苦しみもがきながら努力して初めて、子どもに力がついていくものだ。 **子どもは正しい働きかけさえあれば、その力も素質も変えていくことができるのだ |
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2007.9.3 | 最近読んだ本 1 「天才論」 茂木健一郎 朝日選書 ・・・・・ダ・ヴィンチに学ぶ「総合力」の秘訣・・・・・ **脳は学び依存症である。脳は学び続けることに喜びを感じるようにできている。知の欲望は無限で、一生満たされることがありません。アイザック・ニュートンに「わたしが遠くを見られたのは、巨人の肩に乗ったからだ」というたいへん謙虚な言葉があります。「万有引力の法則」「運動の法則」「微積分」「光の粒子説」といったニュートンの達成は、巨人すなわち過去の人々が成し遂げた仕事に基づいたものである、と述べたのです。天才は、ゼロからいきなり画期的な業績を生み出しているわけではありません。発明王トーマス・エジソンがいみじくもいっているように、過去のさまざまな知識に学び、最後の1パーセントのところで、天の配剤のようなひらめきを得た人を、天才と呼ぶのです。 2 「教育3・0 誰が教育を再生するのか?」 宮川俊彦×寺脇 研 デスカバー携書 ** これまでの学校教育制度はいわばインプットだった。それが高じて詰め込み教育といわれたわけです。その後に必要なのはアウトプットだと僕は言ってきた。入れたものは出す。つまり、全教科の表現教育的再編成ですよ。・・宮川 **役所というのは、本来、高い理想を掲げて、あとはセイフティーネットを張るということなんです。学校は未来や理想を語る場であって欲しい。・・寺脇 **戦後教育がよくなかったと言われる最大の理由は、私益一辺倒だったということです。・・寺脇 3 「実録・風林火山」・・甲陽軍鑑の正しい読み方 武田軍団の興亡・・北影雄幸 光人社 ・・・「葉隠」では、「武士道と云ふは死ぬことと見付けたり」だが、甲陽軍艦の武士道は、むしろ生き抜くことに重きがあった。 **武士とは心映えのものであり、武士の一分は美しく生き、美しく死ぬことである。この精神の美を堅持するからこそ、真武士の一生は一遍の詩ともなり得るのである。 **出家が学問をわきへなし武辺を心がくる儀と、武士が奉公の武辺をわきへなし、学問を第一におもひ、或いは乱舞などをすく事、皆これ家職を知らざる儀なり。 |
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2007.8.9 | 最近読んでる本 1 「詩とは何か」 思潮社 吉本隆明 **詩にとって確かなことはたとえそのなかで世界を凍らせる言葉がつづられたとしても、やがて詩は終わり、こころの励起は終わりを持つということだ。だが現実はいつまでも終わらないで、私たちを禁圧する。・・・詩的な比喩は、この永久的な現実の抑圧と詩の一時的な解放との結び目をとめるクサビのようなものである。 2 「下流志向」 講談社 内田 樹 ・・・・学びからの逃走、労働からの逃走・・・・・ **教師が提供する教育サービスと等価交換しようとする貨幣は「不快」である。 **努力する能力にははっきりと出身階層による差が見られる。メリトクラシー(能力主義)がフェアであるのは、「努力する動機付け」が万人に平等に賦与されている限りにおいてである。 **リスク社会では入力におけるわずかな差が巨大な出力差として現れる可能性が高い。リスク社会では努力と成果のあいだの相関関係が崩れてくる。自己責任、自己決定はリスク社会が弱者に強要する生き方(というより死に方)なのです。 3 「学校をつくる、地域をつくる・・鹿沼発・・学社融合のススメ」 草土文化 鹿沼市教育委員会編 **鹿沼市では学社融合を学校教育と社会教育が重なり合い、子どもを育てる方向を共有化するとともに、子どもを育てる活動を協働化する作用」と定義している。 **学社融合によって達成すべき目標は学校のスリム化である。 4 「日本の現代思想」NHKブックス 仲正昌樹 ・・・・ポストモダンとは何だったのか。 5 「小さな学校の大きな挑戦」・・廃校の危機から脱出中 ・・・・・小学館スクウエア 監修 城山西小と地域振興を考える会 ** 小規模特認校・・・市内全域から入学可能とする。学校・地域・行政が連帯協力し、児童数の増加に努めること。5年間をめどに複式学級が解消されない場合は統廃合 |
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2007:/ 7/16 |
最近読んでる本 1 「詩とは何か」 思潮社 吉本隆明 **詩にとって確かなことはたとえそのなかで世界を凍らせる言葉がつづられたとしても、やがて詩は終わり、こころの励起は終わりを持つということだ。だが現実はいつまでも終わらないで、私たちを禁圧する。・・・詩的な比喩は、この永久的な現実の抑圧と詩の一時的な解放との結び目をとめるクサビのようなものである。 2 「校長先生になろう」 日経BP社 藤原和博 杉並区立和田中学校長 **マネジメントの良し悪しこそ、教育改革が真に子どもたちのためになるかどうかの鍵になるのだ。なぜ子どもたちが「何もやろうとしない校長」の低きに合わせて、未来を犠牲にしなければならないのか。 **公教育の信頼を回復するには、校長のリーダーシップに率いられた学校の開放と地域社会の再生でしかない。 **再生すべきは教育ではなくて、地域社会とそこでおこる良質のコミュニケーションなのである。 3 「インド式秒算術」 日本実業出版社 プラディープ・クマール 4 「田中正造の生涯」 随想舎 花村富士男 5 「教育再生会議第1次・第2次報告」 社会総がかりで教育再生を 6 「CS研レポート VOL59 」特集 社会性U 今 子どもが危ない! 啓林館 |
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2007/ 6/10 |
最近読んだ本 1 「詩を書く」 思潮社 詩の森文庫 谷川俊太郎 **詩は人間の生命の最も根源的なところで一見非人間的に見えるほどの深さにおいて人々のものにならなければならぬ。 2 「詩を考える」 思潮社 詩の森文庫 谷川俊太郎 **はじめに沈黙があった。言葉はそのあとできた。沈黙は人間の敵だ。だが同時に沈黙は母である。われわれはみな沈黙から生まれた。 **ぼくがベートーベンから受ける感動は常にひとつのものに限られていた。”ぼくは生きられる。”自分の感動をぼくはそのように言葉にすることしか出来なかった。 3 「大人が絵本に涙するとき」 平凡社 柳田邦男 **この世に生まれでた乳児は羊水の中の安心感からすぐに脱け出せるわけではない。母親に抱きしめられることを、いわば羊水に替わるものとして求める。心の発達のためには、そういう愛着関係が少なくとも3歳児までは必要だという。 ”心の分娩は3年かかる。”・・渡辺久子 慶応大学医学部小児科講師 |
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2007/4/24 |
最近読んだ本 2007/4/24 記 1 「リベラルからの反撃」 論座編集部編 朝日選書796 ・・・アジア・靖国・9条・・・ * 敗戦の結果責任を負ってもらわなければならない人たちを神にするのはいかがなものか。・・・ 後藤田正晴(故・政治家) * 少子化による人口の減少と高齢化により経済成長追求政策は不可能になった。戦後一貫していた経済中心的思考の転換は、ある国の文化的伝統に根ざすものであり、定常経済への移行は長期的なプログラムに基づく公共的な政策戦略を必要とする。伝統的な美意識、自然環境への繊細な配慮、信頼や調和をキーワードとした人間関係、自己主張よりも謙虚を美徳とする道徳観、仏教に根ざす無常観や、神道からくる純粋さ、儒教的な秩序観念などを背景とした倫理的精神、利よりも義を重んずる「義の精神」、アメリカ文明の高層ビルとは対極にある質素で自然と調和した低層の伝統的な木造建築物、進歩する歴史観ではなく栄枯盛衰の歴史観、これらは日本の精神文化の核を形作るものであった。「よき社会」はいずれこれらの価値観の再発見とその具体化を含むものでなければならないだろう。・・・佐伯啓思(京都大教授) |
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2007/4/8 | 最近読んだ本 1 日本という方法 松岡正剛 NHKブックス1067 ・・・・おもかげ・うつろいの文化・・・・ 2 詩と自由 鶴見俊輔 詩の森文庫 思潮社 ・・・・恋と革命・・・・ 3 初任者研修の手引き(小中学校) 栃木県教育委員会・栃木県総合教育センター 4 記念講演 「心の教育と宗教」 中尊寺貫首 千田孝信 人間は大自然に宿借りしている |
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2007/3/21 | 最近読んだ本 (2月14日〜) 1 新しい時代の教職入門 秋田喜代美・佐藤学 有斐閣アルマ * 教師の仕事は、学級に自らの心的エネルギーをつぎ込むことで、個々人の生徒に向けて、希望を投資することだ。 * 教師は生涯を通して教師になる。 2 メディア危機 金子勝 アンドリュー・デヴィット NHKブックス * 社会が狂い始めている。・・・多分、暴走している電車の中にいると,誰もその電車が暴走しているなどとは思わないように、この社会が暴走を始めており、その先に悲惨な結果が待っていることに人々は気づいていないようだ。メディアは、そうした暴走を食い止めようとしないばかりか、カーブでますますスピードを上げるように煽っている。 * 十分な知識に裏打ちされた大衆の意見を育成し、それを政策決定過程に直接反映させるための仕組みは、メディアそれ自体からは決して生み出されないと考えたほうが適切だろう。それゆえ少なくとも二つの手段とその結合が必要になる。メディア政治につねに懐疑的に接する批判的思考を育てるために、メディアリテラシーの教育を制度化していくことである。次に、公共的決定を要する政策領域を身近なところに落としてゆく分権的な仕組みが必要になる。政策決定への直接的参加が可能になってはじめて討議的民主主義も実現されうるからである。 3 詩的自叙伝 寺山修司 詩の森文庫(思潮社) * 私がはじめて戦後詩と出会ったとき、戦後詩は大分くたびれた顔をしていた。・・・ 「荒地」運動の中に私が見たものは、「いかに生くべきか」という思想ではなくて、「いかに死ぬべきか」というシニシズムの影であった。 * 自然は見事な一冊の詩集であるということを、だれよりも子どもはひそかに知っている。 * 花という字が死という字に似ていることから、なんとなく死ということにはなやいだ夢を見たりする少年だっていないことはないだろう。 |
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2007/2/14 | 最近読んだ本 1 教育改革をデザインする 佐藤 学 岩波書店 * どの国のカリキュラムも本質的内容が繰り返し登場する「螺旋型カリキュラム」を採用している。積み上げ型では、たとえ内容が平易になっても、子ども自らが本質的概念を中心に知識を関連付け構造付けて学ぶことが困難になり、暗記主義の学びへと傾斜してしまう。 * 教師は教科の専門家である以上に、教育の専門家であるべきだ。 2 教育改革のゆくえ 藤田英典 岩波ブックレット NO 668 * 学校教育の中心的な役割は、文化の伝達、学力の形成、人材の育成である。 * 未完のプロジェクトとしての教育を支え続けるのは、教職員と家庭や地域社会の信頼・支援・協力です。その教職員の専門性・協働性と誇り・夢を大切にしない社会の教育は失敗します 3 教育力 齋藤孝 岩波新書 いい先生とはどういう人か 4 学校の挑戦 佐藤学 小学館 学びの共同体を創る 5 学びから逃走する子どもたち 佐藤学 岩波ブックレット NO 524 6 学力を問い直す 佐藤学 岩波ブックレット NO 548 7 学力低下の実態 苅谷剛彦、志水宏吉、清水睦美、諸田裕子 岩波ブックレット NO 578 8 大衆教育社会のゆくえ 苅谷剛彦 中公新書 9 下流社会 三浦展 光文社新書 10 CS研レポートVol 53,54 (確かな学力向上に向けてT,U)啓林館 11 CS研レポートVol 55,56,57 (今子どもが危ない T、U、V)啓林館 12 タロちゃんと満月先生 たかぎ郁子 朱鳥社 |
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2007/1/3 | 最近読んだ本 1 宇宙誌 松井孝典 徳間書店 * いつの時代の科学者も、宇宙はなぜこんなにも美しいのかという驚嘆と疑問から逃れられなかった。宇宙がなぜこれほどまでに整然たる秩序を保ち、合目的的につくられているのか。宇宙を支配する物理法則や基本定数は、なぜかくも数学的なのか。重力定数は、この宇宙が生命を生み出し,育み、進化させて人間の存在へと導く上でこれ以外にはないという最適の大きさに定まっている。それは、偶然と呼ぶにしても確率的にありえないような偶然といわねばならない。 * 科学が明らかにできるのは、宇宙における人間の位置と物理的存在理由だけである。そのような科学の限界を超えて「我々とは何か?」という人間存在の本質を問うのであれば、科学は否応なく哲学の領域に足を踏み入れていかざるを得なくなる。何であるかではなく、なぜと発する人間原理は科学が再び人間の問題に立ち戻る一歩になりうる。それは科学の問題というより科学者の問題である。 2 宮崎駿の「深み」へ 村瀬学 平凡社新書 * 10歳というのは私たちがいつまでも抱えている「子どもという深み」のこと。<子どもという深み=腐海=ジャングル=厠の神=いのちの再生するところ> 3 読書からはじまる 長田宏 NHKライブラリー * 言葉は人間の子どもではなく、人間が言葉の子どもです。母なるものとは自分が生まれ育った言葉のことです。 4 格差社会 橘木俊詔 岩波新書 * 日本の社会はいま階層固定化に向かっている。貧困者の増大は社会にとってマイナスであり国家の将来を危うくする。公平性と効率性は両立させねばならない。 5 風林火山 井上靖 新潮社 6 自殺予防 高橋祥友 岩波新書 * 自殺は自由意志にもとづいて選択された死などではなく、いわば「強制された死」であるというのが精神科医としての私の実感である。 <2005年警察庁統計> 自殺舎32552人、交通事故死者6871人 |
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2006/12/3 | 最近読んだ本
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2006/11/06 |
* 茂木健一郎「心を生み出す脳のシステム」NHKブックス *Autism・・・Savant Syndrome・・・ |
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2006/10/15 | * 最近読んだ本 1 子育て百科「切れる理由は歯にあった」 : 倉治ななえ KSS 2 「思想としての全共闘世代」 小阪修平 ちくま新書 3 「教育の力を取り戻す」 文芸春秋11月臨時増刊号 4 「地球・宇宙・そして人間」 徳間書店 松井孝典 5 「混迷の時代に」 出井伸之 WAC ・・・ネットワーク社会の遠心力・求心力・・・ |
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2006/9/25 |
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2006/9/18 | 最近読んだ本 1 「学力の新しいルール」 陰山英男 広島県尾道市立土堂小学校校長 文芸春秋 *** 早寝早起き朝御飯と基礎基本の徹底反復の効果は、保護者との連携がうまくいけば、期待を裏切ることなく子どもたちの学力を高めることが可能になる。 2 「からだを揺さぶる英語入門」 齋藤 孝 角川書店 *** Moving Englishー からだを揺り動かしながら英文を朗読することで、「日本語の身体」から、「英語の身体」へのモードチェンジを技として身に着けよう。 3 「自閉症」 村瀬 学 ちくま新書 *** 自閉は人と人とのかかわりの中で,生起する事態とみるべきであり、症状としてとらえるべきではない。小澤勲「自閉症とは何か」 *** 知恵遅れの問題を個人の病理としてではなく、類的な規模での自然現象として受け止め、その現象なくしては成立し得ない類的活動の総体を理解する筋道を、もっと手に入れなければならない。・・・自閉的精神病質 Asperger は病気ではない。村瀬 学 4 「ちょっと待って!人権がある」 和田献一 解放出版社 ***人権教育で重要なのは、「人はいかなる属性を持っていても差別されない」という憲法第14条の人権原則にもとずいて、マイナスに評価されている属性を正当に評価していくことです。 5 「掃除道」 鍵山秀三郎 *** トイレを磨くことは心を磨くことだ。 6 「松井教授の東大駒場講義録」 松井孝典 集英社新書 7 「宇宙人としての生き方」 松井孝典 岩波新書 8 「一万年目の人間圏」 松井孝典 WAC *** 一万年前の気候変動に際して、我々は農耕牧畜を始めた。それは地球学的にはヒトが生物圏から分かれ、人間圏をつくって生きるという選択をしたこと意味する。以来我々は、生き延びるためだけの存在ではなく、なぜ存在するのか、自らその存在理由を問う存在になった。我々は宇宙を認識するために生まれてきたといえるかもしれない。そうだとすると、それを認識した現代という時代は、我々がその存在理由を失い、したがって文明の問題に直面するのは、文明のパラドックスというより、必然というふうにも考えられる。 |
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2006/8/8 | * 最近読んだ本 1 「キレる子どもは食事で変わる」 編著 千葉三樹男 竢o版社 * 食わぬものと寝ぬものは役に立たぬ。 * 家族の原点は共食にあり。食の崩壊は家族の崩壊。 2 「壊れる日本人」 柳田邦男著 新潮社(再読) 3 「ゲーム脳の恐怖」 森昭雄著 生活人新書 NHK出版 * ゲーム中の脳波は痴呆と同じ。 * 人間らしさは前頭前野にあり。 * キレるという現象は動物脳(大脳辺縁系)の行動を抑制できないから起こる。 * 最近問題になっているADHD(注意欠陥多動障害)は集中力が低下し、落ち着きがないことが特徴です。この障害のある子どもたちの脳を調べてみると前頭前野、帯状回前部などのニューロン活動が低下していることが知られています。 4 マンガ「石川啄木」 岩手日報社 5 マンガ「宮沢賢治」 岩手日報社 6 「学力を育てる」 志水宏吉著 岩波新書 * 学力形成の問題にとって決定的なことは、「習慣づけ」の問題である。他2冊 |
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2006・7 | 最近読んだ本 1 「本が死ぬところ暴力が生まれる」 Barry Sanders 新曜社 * Violence,Electoronic Media , and the Silencing of the Written Word America'sYouth is dying not to read. 2 「人間になれない子どもたち」 清川輝基 (えい)出版社 * 子どもが体と心を育てるべき「子供期」に、部屋に閉じこもって人と言葉を交わさずに、長時間を過ごすということなど長い人類の歴史でかつてなかったことである。 * もはや家庭に教育力などない。今すぐ親世代を含めたメディア・リテラシー教育が必要だ。 3 「聖なる衝動・・小説・日光開山 勝道上人」 水樹涼子 随想舎 4 「論争 教育とは何か」 中曽根・西部・松井・松本 文春新書 * 個人を主体にしたユニットは、ビッグバンと同じ状態で混沌、無秩序である。20世紀はそれが理想だとしてやってきたが、21世紀もそれでやろうとするとすぐに破綻する。国、地域でもいいが、そこでは言葉が 一つの求心力として働いている。言語というものは国という共同体の求心力そのもので、これを教えることがいかに重要なことか。道徳も歴史も哲学もこの部分がしっかりしないと結局だめである。 * 20世紀的ないろいろなものは人間中心主義で、人間という知的生命体を相対的に見ていない。人間を相対的に見る視点で、21世紀にはどういう共同幻想が作れるかが「坂の上の雲」でしょう。 (松井孝典) 5 「安田講堂1968−1969」 島泰三 中公新書 * 海が割れて道ができるように人波が割れて、 かの無数の勇士たちの通り道が開かれた。 * 君もまた覚えておけ 夢のようにではなく ふるえながら死ぬのだ 一月はこんなにも寒いが 唯一の無関心で通過を企てるものを 俺が許しておくものか * 連帯を求めて孤立を恐れず 力及ばずして倒れることは辞さないが 力尽くさずして挫けることを拒否する * 明日あると信じて来る屋上に旗となるまで立ちつくすべし 道浦母都子 |
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2006・6・5 | *最近読んだ本 1 「思春期の危機をどうみるか」 尾木直樹 岩波新書 2 「子どもの脳が危ない」 福島章 PHP新書 3 「ニート NEET」 玄田有史・曲沼美恵 幻冬舎 |
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2006・5・6 | *最近読んだ本 「良心の自由と子どもたち」 西原博史著 岩波新書 憲法第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。 ***そもそも国家が,思想良心の自由を保障するということは、基本的に道徳的、思想的「正しさ」の判断に国家として関わらない姿勢を意味する。 ***国家や学校は、子どもの道徳的判断能力を育てるのに、最終的な責任を持つことはできない。・・・子どもの道徳意識の発達の中心的な役割を担うのは子どもを世に送り出した親である。 ***思想良心が個人の人格の核心にあるものとして権力による侵害を受けるべきでないのは、内心を守ること自体が大切だからでも、思想良心問題を公に語るべきでない私的事項としてタブー化することに意味があるからでもない。憲法による思想良心の自由の保障が必要なのは、思想良心が個人の自律を支える鍵としての役割を果たすからである。・・・基本的人権とは、自分らしく生きていく権利である。(この新書は久しぶりにメモをとりながら2回読んだ。) |
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中央教育審議会答申 2005・10・26「新しい時代の義務教育を創造する」より |
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2006・2・27 | *最近読んだ本 斎藤孝 著「子どもに伝えたい三つの力」より NHKブックス スポーツの上達において、基礎的技術の反復練習を軽視する指導者はいない。自由で創造性あふれるプレイが、基本の反復練習に支えられていることは、自明の理である。しかし、学力の向上という段になると、この当たり前の前提が共有されなくなる。 ・・・学校教育の最大の長所は強制力があるということである。掛け算の九九は強制されなければ自然に覚えられるものではない。そうしたトレーニングは学校という場所にあっている。学校がトレーニングを軽視するようになれば、学校の社会的存在意義はいよいよ低下することになる。 |
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2006・2・15 | *最近読んだ本 桑子敏雄著「感性の哲学」より NHKブックス 和歌に対する西行の執着は,道心への方便。すなわち仏教的精進への手段であった。・・・仏道の完成は寂滅涅槃のなかよりも、この世俗世界での実践のなかにある。 ・・・和歌即真言・・・ |
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2004・10.3 |
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