2014年1月29日午前0時30分、羽田空港発NH1062便の機内には、少し興奮気味の中年夫婦が落ち着かない様子で搭乗していた。
パスポートは、ドルは、日程表は、旅行保険証券は、行程中のチケットは・・・・。持った、どこにある、耳栓とアイマスクをしながら頭の中で繰り返している。
いつもなら熟睡している時間である。現地には午前中につくので、機内で睡眠をとらないと、思い出に残る一日が寝ぼけて記憶が飛んでしまうとアドバイスを受けているが、興奮して眠れそうもないようだ。
子供からプレゼントされた旅行券で念願のハワイへ行くことになったのは、前の年の11月のことである。
ネットで検索すると、ハワイツアーは種類の多いこと。目的を絞らないと一か月以上の滞在となってしまい、まずハワイには何があるのかから、何しに行くか、何日間滞在できるか、費用はどれくらいかなどを決めていくことにした。
ハワイと言えば海、年齢的に海水浴というよりは散策や見学にして、リムジンでのオアフ島一周観光、客船でのサンセットクルーズ、ダイヤモンドヘッド日の出ツアー、幻のビーチツアー、アラモアナセンターでショッピング、ベースとなるホテルの選択などなど盛りだくさんのスケジュールを組んだ。
ツアーの予約が済むと、パスポートの取得となる。最寄りの市役所で申請をし、2週間程度で出来上がる。
パスポートを入手したら、アメリカ入国のビザ申請(観光の場合は、ESTA申請といってインターネットで24時間申請できる。注意点があるが、後で述べる)を入国前までにしなければならない。
各種手続きが済むと、現地で使用する通貨を用意しなければならない。
ハワイでは米ドルなので、いつ、どこで両替するかとなる。日本円は両替時のみで、店では使えないと考えた方がよい。クレジットカード支払いも一つだが、スキミングや為替相場の変動等いまいち安心できない。
国内で両替するか、現地で両替するか。国内も取扱銀行や空港、インターネット両替などがあり、円相場は常に変動するのでタイミングを逸すると割高のドルを購入したり、高額な手数料を払うことになったりするので、多くの情報を集めてから両替を実行することが賢明と思われる。
私の場合は、初めての両替でもあり慎重に検討したがインターネット両替を選び、
外貨両替ドルユーロで両替することにした。
現地で支払う予算を立て、事前に両替する額と現地で両替する額に分け、米ドルと日本円を持っていくことにした。
外貨両替ドルユーロは、米ドルだけでなく各種の外貨の両替(必要な外貨の販売、不要な外貨の購入)を行っており、両替価格も円相場に連動してその日内でも随時変更していて、表示価格で購入できるため分かり易い。基本事前振込みで発送、送料は自分負担となるが振込後3日程度で受け取れる。
ホームページで毎日の価格をチェックし下がったころを見計らって注文(両替の煩わしさが楽しみに思えてくるところが不思議である。)、届いたメールに従い振り込んでから到着を待つ。書留便で届いた米ドルを確認し、出発準備OKとなる。(後に、ここで再度両替をすることになる。)
一日の勤めをこなしてから、高速バスに乗り込み、羽田空港国際線ターミナルに向かう。税関を過ぎると店があり、国産たばこを始め各種食料品等が国内より格安価格で販売されているのでつい買い求めたくなる。
搭乗案内に従い機内に乗り込むと、7時間10分の真夜中の空の旅となる。ホノルル空港には日付変更線を通過するため前日の午前12時40分(日本時間では午前7時40分)に到着する。お昼の時刻である。
初めての節約ハワイツアーのため、ガイドは入国してからツアーラウンジまでと、出国時のツアーラウンジから空港までのバス内だけであり、以外の現地行動はすべて自分で探す自由行動である。
ホノルルに着くと、1月は梅雨時とのことで曇り空に強い風が吹いていたが、温かく南国に来たことを肌で感じ、係員、ガイド達が掛けてくる「アロハ」に見知らぬ土地にたどり着いて不安におののく我々に安らぎを与えてくれた。
カハラホテルではアランチーノ・アット・ザ・カハラで夕食を予約していたが、全く日本語が通じなくて(こちらも全く英語が話せなくて)何しに来たのか伝わらず、持って行ったタブレットでメールのやり取りを見せてようやく食事にありつける事ができた。
アラモアナホテルで荷物を部屋に置き、日本から予約していたマカデミアチョコレートを買いにタクシーでカハラブティックに向かう。
ベランダに案内され暮れなずむハワイの空を感じながら、料理を運ぶ都度に掛けてくるウエイターのウィットに飛んだ片言の日本語に楽しいひと時を過ごすことができた。
食事が済むとあたりはすっかり夕闇となり、ロータリーの明かりが幻想的だった。帰りはホテルのバスに乗り宿泊地まで送ってもらう。
平成27年03月29日