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*** 私の体験記 *** { 登山・ハイキング編 }


◎庚申山登山(つづき)

 古い山荘を取り壊したらしき跡を通り過ぎ、山荘の水源地となっている岸壁の下から左へと山を登って行く。
 しばらく進むと目の前に岸壁が現れ、初ノ門と呼ばれる狭い岩のトンネルをくぐり抜けると鎖や鉄梯子が現れ岩登りとなって行く。
 いくつかの岩場を登って行くと、大きな黒岩が突き出た大胎内と呼ばれる場所に着く。ここは「お山巡りの道」との合流点となっているが通行止めの為閉鎖されている。
 大胎内くぐりは、双方から潜り抜けられるようになっており、天井が空いていてくもり空を仰ぐことができた。
 ここから先も岩場の登りが続くのでペースが遅くなって行く。
 岩場が終わると、コメツガの林の中を登り、まもなく平坦になってきてしばらく進むと三角点のある庚申山の山頂に着く。
 それまでは誰一人行き合うことが無かったが、山頂近くになるといくつかの男女組やら 女性数人のグループ、学生らしき男女数人のパーティと 立て続けにすれ違うこととなった。ある男女組は群馬県側から、女性グループは「お山巡りの道」を登ってきたとのことであった。
 「お山巡りの道」は閉鎖されているはずなのに。
 山頂は林の中で展望は無いので道沿いに先に進むと、突然林が切れて、展望が開けた。
 尾根の先端で高木がなく5m四方程の地膚が表われたところであるが、休憩の取れる場所であり正面に皇海山が目前に迫って見える申し分の無いところである。
 百名山の一つである皇海山は、一段と高くどっしりとした落ち着きのある風貌は「来るなら来い。」と言っているような威圧感さえ感じられた。
 のんびりはしていられないので昼食を摂りながら展望を堪能することと準備に取り掛かる。
 バーナーを取り出し、自宅から持参した水で湯を沸かしラーメンを作ろうとリュックの中を弄り帰すが、昨夜入れたはずのチャルメラが出てこない。
 割り箸、うつわ、水、バーナー、ガスは有るが、肝心のラーメンを入れるのを忘れてしまったのである。何と言うことだ、山頂での食事が楽しみの半分でもあるのに、かといって出前を取る訳にも行かず仕方がないので諦めることにした。
 幸いにもリュックの中にはセンベイなどの菓子類が多く入っていたので、自宅から運んだ水をたっぷりと飲みながら菓子類で空腹を満たすことにした。
 登山の記念撮影もなく、食事の不足分を早めに補うためと、帰りの分の水を残し皇海山に再会の約束をしてから下山に向かう。
 帰りのペースはいつもより早めにしたが、空腹と休憩不足、初めての道やらでペースが持続できずこまめな休憩を取りながらの下山となった。
 庚申山荘では立ち寄らず直に猿田彦神社に向かう。途中50代の男女20人ほどのパーティとすれ違うが、今日は庚申山荘に宿泊するのだろう全員ともリュックはパンパンに膨らんでいた。
 何回かの小休止を取りながら、何組かのグループとすれ違いながら庚申七滝までたどり着く。
 ここまでくれば、後は林道を下るだけなので、ゆっくりと休むことにし、テーブルで休んでから七滝の散策コースでのんびりとと涼んだ。
 七滝の散策コースは、滝を横断するようにいくつかの橋が架けられており、歩きながら滝の全容を望むことができ、夏はそのしぶきで贅沢な涼みを満喫できる。
 七滝の音を聞きながらしばしの休息を楽しんでから、おもむろに歩き出すが平坦な林道なので少しペースを上げることにした。
 天狗の投げ石付近に来ると、先ほど山頂で出会った男女数人のグループに追いついた。先を急ぐ身なので挨拶をしてごめんなすって。
 午後4時少し前、庚申山登山の終了である銀山平駐車場に到着した。7時間半の周回コースは少々のアクシデントは合ったものの無事終了したのである。
 荷物を降ろし靴を履きかえると、エネルギーの補給と汗を流しに車で国民宿舎に向かう。しかし、食事ができないとの事なので、エネルギー補給優先と止む無く車を日光方面に走らせる。
 安心してこの条件をかなえてくれるのは日光の「やしおの湯」と思い、トンネルをくぐりぬけ遥遥日光へと進めた。
 やしおの湯は、夕刻の時間でも有りそれなりの混雑が合ったが、自宅に電話を入れてからゆっくりと登山の回顧をしながら温泉に浸かり汗を流した。
 湯上がりと言えば、食堂に入り生ビールのジョッキとから揚げとラーメンセットを注文し疲れの癒しと共に空腹を満たす事にした。
 注文と言っても自動販売機であるが、店員は大食家だなと思ったのか、怪訝そうな顔をして「ラーメンセットにはから揚げが付きますので別のにしますか」と聞いてきた。
 こちらは飲み物とつまみ、その他は空腹が満たされればなんでも結構と任せる事にした。
 午後8時10分、無事に自宅に到着。車の走行距離も69kmと初めての庚申山は長い道程であった。

コースデータ は別紙の通り。


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