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*** 私の体験記 *** { 登山・ハイキング編 }


◎鳴蟲山登山(平成15年12月7日)

 JR鹿沼駅を降り立ち北に向かうと、遠方正面に日本百名山で知られる男体山がどっしりと構えている。
 視線を左に変え西に向かうと、2つのピークを持つ風変わりな山が見えてくる。信仰の山、二股山である。目的の山は、さらに西に向かった所にある。
鳴蟲山々頂  JR鹿沼駅を始発とするリーバスの「上久我・石裂線」に乗ると、暫く市街地を走り西に向かう。
 利根川の支流である大芦川を渡り少し進むと、加蘇地区を流れる荒井川と合う頃に前方山頂の奥から赤白の送電線鉄塔が現れる。
 鹿沼市上久我にある鳴蟲山(nakimusiyama)(マピオンの地図を見る)は西大芦との境に位置し、訪れる人も少なく静かな山であるが、南東に開けた山頂からの眺めはまずまずとなっている。
 リーバスを乗ること45分で上久我馬返停留所(折り返し所)に到着する。
 登山口は、停留所手前すぐ脇にあり、林道「滝ノ沢線」がそのまま登山道になっている。
 バス折り返し所で身支度を整えると、林道始点に向かい登山開始となる。
 この林道は送電線鉄塔の管理道も兼ねているので、路盤が整備されており歩きやすい。しかし、林道なので作業員が出入りをしており、注意をすると共にそちらが優先されることになる。
 少し歩くと、鉄塔建設に併せて伐採したのか一面の立木が無くなり頂上まで見通せるようになる。
 天気が良くて暖かく歩きやすい広い道、少々登山をしている感覚が薄れる。
 この感覚のずれが、後ほどの災難に繋がることを今は知るよしもない。
 この沢は鳴蟲山を源流としているので、奥深い訳ではないため水量はそれほど多くなく、川幅も狭い。しかし、沢の名前にあるように「滝」があちらこちらに見られる沢である。
 心地よい登山道を、滝を眺めながら歩き進めると、林道は沢を離れる道と沢沿いに進む道に分かれる。沢沿いに進む道の先には、目標としている鉄塔が見えている。
 本道と離れるように感じられたが天気もいいし、周囲に障害物は何もないため迷うことは考えられず、近道の可能性もあり期待を込めて鉄塔を見ながら歩く沢沿いの道を進む事にした。
 傾斜はあるが、近道でもあり所々にある滝をのぞきながらの登山であり、仕方ないかと自分自身に言い聞かせながら登り進む。
 天候も手伝ってか、しばらく快調に進むと、何故か林道が途切れてしまっている。周囲には倒木の枝が積み重ねられており、先に進むには乗り越えていかなければならない。この道は、伐採した立木を搬出するために開設された作業道だったのである。
 鉄塔方面を見上げると、山の中腹に林道らしき形跡が見える。しかし、道はない。やむなく積み上げられた枯れ枝の上を乗り越え、その形跡向かうことにした。しかし、枯れ枝は脆く、埋もれないように注意しながら乗り越えると、山イチゴのようなトゲのある木が一面を覆い、行く手をふさぐ。
 手袋をしているが、トゲは容赦なく柔肌をねらってくる。山イチゴをかき分けながら、傾斜を汗だくで登り詰めると林道にたどり着いた。
 ここで呼吸を整えるために、しばらく休憩を取ることになるが、どこからかチェーンソーの音が聞こえてくる。近くで伐採作業をしているようである。
 伐採の影響を受けないように注意しながら林道を進むと、分岐になる。ここは分かりやすく、鉄塔方面に向かいしばらく進むと林道の終点になる。鉄塔の直き下になる。
 鉄塔からはものすごい音が聞こえてくる。地下鉄の駅で、電車が進入してくる時のような音が、休み無く鳴り響く。
 送電線を高圧電流が流れる音なのか、送電線に風がぶつかり鉄塔が共鳴しているのか、いずれにしても不愉快な音である。
 夜間になると赤い警告ランプが点灯する鉄塔はさすがに大きい。周囲に立木がないので東南方面の見通しは良い。
 鳴蟲山々頂は、そこから30m程登ったところにある。三角点の標識があり、小さなほこらが祀られていた。混合樹林に囲まれ山頂からの見晴らしはあまり良くない。
 記念撮影をした後、鉄塔まで戻り眺望を楽しむ。筑波山はもちろん、条件が良ければ富士山も望めそうな感じがする。
 帰途は、すなおに本道を歩き、順調にスタート地点に戻ることが出来た。
 自然を楽しむ方には別コースがおすすめかと思いますが、不慣れな方には林道であることだけ注意すれば安心して登れる山です。最後までお付き合いいただき有り難うございました。
 

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