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*** 私の体験記 *** { 登山・ハイキング編 }


◎庚申山登山(平成12年7月15日)

 日本百名山の一つであり栃木県内にある「皇海山」は歩行時間が13時間(栃木の山120[栃木県 勤労者山岳連盟宇都宮ハイキングクラブ編])と、それなりの体力と経験が必要とされるが、同じ足尾町に ある庚申山は皇海山の手前に位置し歩行時間も7時間弱と一般の人でも時間にゆとりを持って望めば日帰り で体験できる登山である。
 今回は、「コウシンソウ」の自生地であり「南総里見八犬伝」の舞台でも合った庚申山に挑むことにした。
 夏の盛りの7月中旬、天候はくもりであるが雨の気配はなく、まずまずの朝を迎えた。
 初めての山なので時間にゆとりを持とうと、昨夜のうちにリュックに資材を積み込んで、食料とフイルムは途中の コンビニで仕入れるだけにしておいたため、軽く朝食を済ませ6時40分に自宅を出発した。
 足尾へは粟野町を経由する山越えを選び、途中何件かのコンビニが店を開いていたが、足尾町に行けば有る だろうと思い素通りしてしまった。
 足尾町に着き銅山観光付近を捜したがコンビニは見当たらず、仕方なく国道沿いを群馬県方面に走ったが開 いている店は一軒もなかった。
 記録写真が取れないのが残念だがバーナーとラーメンは持ってきたので食事は何とかなるし、と考えてコン ビニ探しを諦め登山口へと向かった。
 8時16分、登山口の駐車場には既に10台ほどの車があり、この山の人気が伺えた。
 靴を履き替え、軽く準備運動をして、往復7時間の行程のスタートとなる。
 林道は登山口から車止めがあり、車は通れないがアスファルト舗装になっていて歩きやすいが庚申川沿いに 傾斜のある山の中腹を切り開いた道のため、上からの落石や下への転落に注意しながら道の中心を歩く。
 しばらく歩いて行くと、右手山際に20〜30cm大の丸い石ころが山の上から転がしたようにたくさん 堆積している所がある。「天狗の投げ石」と呼ばれる場所である。その昔、この地に住んでいた天狗が遊んだ所なのか。
 しだいに庚申川が近くなり10分ほど歩くと、一の鳥居に到着する。
 林道はこの先50m程で終点となり、そこには水面沢が繰り成す「庚申七滝」があり、見学コースと休憩所が整備 されているが、一の鳥居で少々の休憩を取り庚申七滝見学は下山してからの楽しみにとって置き先へと進むことにした。
 水面沢沿いに広葉樹林をしばらく登ると、突然大きな黒い岩が囲むように突き出たところがある、ここが「鏡岩」である。
 「鏡岩」には、山で道に迷った父親の約束のため大ざるの嫁となった末娘孝子と最終の再開の場所、との言い伝えが残っているようである。
 小休止の後、歩きはじめしばらくすると、登山道左手に家庭円満の夫婦蛙石が登山者たちを迎えてくれる。
 しだいに傾斜がきつくなるが10分ほど進むと、庚申山の守護神仁王門があり、ここをくぐると一層の傾斜となる。
 10分ほど砂利の斜面を登ると、かつて庚申講の総本山として栄えた猿田彦神社の跡に到着する。
 神社跡は境内や建物を想定すると思いのほか狭い敷地であったが、山中腹を切り開き建立された物としては、それなりの規模だったのだろう。
 神社跡に向い右の道を進むと「お山巡りの道」で、かつて修行道だった険しい道となり庚申草自生地へと向かうが、 台風の影響で橋が壊されて閉鎖されているため、左へ進み庚申山荘へと向かう。
 途中、沢と道との境界がはっきりしなくなるが木々の間から山荘が見え、熊笹の間を不安なく山荘に向かう。  庚申山荘は無人であるが、外にトイレと水道が有り、建物もきれいに整備されていて寝具も整っており入り口に休憩と宿泊の料金が表示されている。
 山荘から先に進むと、360度の展望がある「天下の見晴」へと行けるが、時間が無かったので外のベンチで休憩の後、 道を戻り気味に庚申山へ向かう。

つづく