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*** 私の体験記 *** { 登山・ハイキング編 }


◎正月晴れの古賀志山から日本一を望む(平成24年1月8日)

 ご無沙汰続きの山登り、この辺で区切りをつけようとつい思い立ち、どうせ行くなら山頂で初日の出を拝む、そんなことを考えながらプランを練ってきたが、元旦は相当混雑するのではないか、増してや町に近い山となれば車を止める場所すら見つからないのではないか。
 そんなこんなの次善策で、鏡開き前に古賀志山から御来光を仰ぐことで決着がついた。
見晴らし分岐  暮れからの晴れ続きで雨の心配はないが例年に無い寒さが想定され、寒さ対策と初めての夜行対策に追われていた。
 2日前に期日を決定し、厚手の下着、靴下、帽子、手袋、ダウンジャケット、オーバーズボン、マスク・・・、懐中電灯、鈴、ラジオ・・・、マップ、GPS、メモ帳、カメラ・・・、水、菓子類・・冬山登山(?)はなんと装備が多いのだろうと思いながらの準備であった。
 さあ、当日の朝を迎えた。
 久しぶりの登山、しかも初めての御来光を拝む登山のためか、目覚まし時計より早く目が覚めてしまった。
 5時17分、持ち物のチェックを済ませると、西の山へ満月に近い月が沈むのを背に自宅を出発した。車の温度計では外気温が氷点下5℃。
 今日は成人式が行われるようで、この時間帯でもかなりの車が行き交っていた。
 5時45分、森林公園の駐車場は1番乗りだったが、支度をしていると軽自動車のおばさん一人が乗り寄せ、先に出発されてしまった。
 GPS情報では、今日の日の出は午前6時53分、1時間少々だが、間に合うか、不安がよぎった。
 古賀志山は平成10年9月の北壁とその後に子供の育成会で登った依頼なので、どんなコースなのかすっかり忘れてしまった。
 幾分の残像を頼りに北コース登山口に進む。
 登山道は多くのハイカーを受け入れていることもあり道幅が広く、闇の中でも歩きやすい路面だった。が、ほどなく大粒の砂利道となった。
 昨年夏に栃木県を通過した台風の影響なのか、抉られた後が随所に見られたが道に迷うことはない。
 なだらかな杉檜の林の中を持参したラジオを聞きながら暫く登っていくと傾斜がきつくなり、先を越されたおばさんが視界に入ってきた。程なく富士見峠である。
 あれっ!! ・・・ オレンジ色の光が富士見峠を照らしている。
 先の方からおばさんが曰く、「間に合わなかったね」
 残念!!
 でも、今日は天気も良いし頂上からの眺望を期待できるので、頑張って先を目指す。富士見峠は周囲の高木で見晴らしが良くないので、左折し尾根伝いに進む。
 なだらかな傾斜を南に進むとほどなく分岐に差し掛かる。ここを左に折れる。
 東稜見晴し台は、狭い岩場で南東の展望が開けている。太陽は昇っているが朝日のオレンジ色が周囲を照らしている。
 10人ほどの小学生から高齢者までの団体と入れ替わると、先のおばさんが岩場に腰を下ろして待っていた。
 岩場に立つと宇都宮市街から遠くは筑波山、視線を右に向けると遠方の山々の間から半分ほど雪に覆われた富士山が目に入った。感動の一瞬である。
 宇都宮市内から来たというおばさんからミカンの差し入れをいただき世間話をしていると、続々と登山者がやってきたので礼を言って古賀志山頂へ向かった。
 先の分岐に戻り、尾根伝いに山頂を目指すと程なく携帯電話の鉄塔が見えてきた。
 古賀志山頂である。

つづく