生まれてからずっと。朝、目を覚ますと目の前に山、裏山、右を見ても左を見ても山々、山すそを流れる荒井川で遊んだ。そんな環境で育ってきた。
春になると一面に木の葉が芽吹き新緑の山、夏になると水菜や蕨、ゼンマイ、真紅のクマいちご、山吹の茎で作る浮、秋になると紅葉と枯葉の匂いを嗅ぎながらキノコ採り、冬になると山々が白銀の世界に動物の足跡を見つけ名前を当てる楽しみ。山と接する時間がたっぷりとあった。
朝早起きして林道を駆け上りクヌギの木に止まるクワガタや草むらにいるヒグラシを捕まえたり、時には木ネズミやモモンガに遭遇することもあった。
夏休みには、ヤマメやアユ、ざっこ(ウグイ)、カジカなどを釣り、時には置き針でウナギを捕ったり、手を真黄色にして河原に実るクルミを食べて遊んだ
荒井川。
ご覧いただいている皆さんの多くも同じ経験をされているではないかと思いますが、今ではこんな経験はできないんじゃないかな。
海なし県栃木の住人にとって「海の日」が制定され休みが1日増えたことは喜んだが、「海の恩恵に感謝し、海洋国家の繁栄を願う日」は実感としてそれほど沸いてこない祝日だった。
関東以北で最高峰の
奥白根山を始め皇海山、男体山、那須岳、など
深田久弥氏の日本百名山に取り上げられた多くの山々を抱える栃木県にとって「山の日」が国民の祝日に定められたことは、本当にうれしくお祝いしたいことである。
2013年6月には信仰の山、容姿の美しさで日本人のだれもが誇る富士山が
世界文化遺産として登録され、世界の人々が日本の山への関心を高めています。
以前、新田次郎原作の「
点の記」という映画を見ましたが、日本最後の三角点を登頂そのものが困難な剣岳に設置するため国土地理院と東大山岳部が競い合ったが、すでに修験者が登頂していたという落ちがある。
山は、弘法大師など多くの僧侶が修行の場として歩きまた暮らしていた。そこには自分のみがいる、自分を振り返る場所としてはもってこいなのかもしれません。澄み切った空気、眩いばかりの緑、野鳥や虫とせせらぎの音、木々や落ち葉から漂う匂い、全てが自分を包んでいる。頂上からの眺めも満足いくものがある。
家族で、友人と、一人で、山の楽しみ方はいろいろあります。
実際に休日となるのは2016年8月からだが、夏の盛りに海の日は渚で潮風を、山の日は深緑を潜り頂で、都会の喧騒や仕事から離れ大自然が与えてくれる穏やかな空気を身体全体で味わってみてはいかがでしょうか。
平成27年08月29日